「ヨーロッパに長くいるから成功というわけではない」海外挑戦を目指すフットボーラーが心に刻むべき“内田篤人の言葉”
JリーグMVPの武藤も受賞コメントで…
Jリーグからヨーロッパの舞台に活躍の場を移す。かつて三浦知良や中田英寿が当時世界最高峰のセリエA(イタリア)に挑戦した時代と違って、それは今や“日常の風景”となった。 【PHOTO】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選! 目標はチャンピオンズリーグ優勝。そう口にする若手選手も増えたが、ヨーロッパのクラブに移籍したからといって成功が約束されているわけではない。2024年のJリーグMVPに輝いた武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)もセレモニーの壇上で「ヨーロッパでは1年間以上ベンチにも入ることができず、家を出る時のドアが非常に重く、帰り道に泣きながらMrs. GREEN APPLEさんの『僕のこと』を大熱唱して運転していたことを今でも鮮明に覚えています」とコメントしている。 そこで思い出したのが、2016年7月に行なった内田篤人(当時はシャルケ在籍)のインタビュー取材。その場で彼は印象深い言葉を残した。以下が、著者と内田のやり取りである。 ──欧州組と国内組で(縦への速さへの)認識の差はありますか? 内田「ありますけど、ほんの少しだけです。海外に行って、1回体感したら理解できるわけで。その差が深刻な問題とは思わない」 ──山口(蛍)選手も半年という短い期間でしたが、ドイツにいました。そこでの経験は財産になりますか? 内田「一歩を踏み出すだけでも凄いじゃないですか。セレッソ(大阪)で積み上げたものを一旦捨てて、海外に行く勇気は素晴らしいですよ。僕は昔、ヨーロッパのクラブでプレーする気もなかったし、(鹿島)アントラーズがめちゃくちゃ好きだったからよく分かる。日本に戻ることは恥ずべき決断ではないと思いますよ」 ──「欧州移籍=成功」というわけではないですよね。そのクラブに合うかどうかが重要です。 内田「そうそう。ドイツとスペインのどちらが合うのかとか、クラブの状況もある。ヨーロッパに長くいるから成功というわけではないですからね。運も大事ですよ」 実績十分の内田の言葉だから重みがある。武藤も挫折を経て今があるわけで、まさに「日本に戻ることは恥ずべき決断ではない」。 一歩踏み出す勇気がなければ、成功も失敗も体感できない。これはプロサッカー選手として生き抜くうえで重要なセンテンスだろう。 海外挑戦を目指すフットボーラーは、内田の言葉を心に刻むべきだ。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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