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コロナ禍 タイで「野菜育てる」運動 経済危機乗り切ろう 1200万世帯自給力実感

配信

日本農業新聞

 新型コロナウイルスの影響を受けてタイで始まった「自家野菜を植える国民運動」の参加者が、2カ月で対象となるタイ国民の9割、1200万世帯を超えた。パクチーやオクラなど多彩な野菜の苗や種を各家庭で育てることで、自給力を高めてコロナ禍の経済危機を乗り切ろうというキャンペーン。食料安全保障や農の大切さに気付く契機になった。タイの政府幹部は「日本の人々も一緒に野菜を作ろう」とメッセージを送る。

日系企業 肥料贈り応援

 タイでは、コロナ禍に観光や流通が大きな影響を受け経済活動が停滞し、失業者が増えていることから、4月からバンコク都以外の76県の国民が野菜栽培に取り組む90日間キャンペーンを始めた。ナスやキュウリ、パクチーの種や苗を育てて、家計の足しにしたり食料自給につなげたりする。  タイ政府によると、バンコク都以外の1298万世帯のうち、22日時点で94%を超える1225万世帯で自家野菜を植え付け。1年分に換算すると2000億バーツ(日本円で約7000億円)の野菜を栽培したことになるという。76県のうち全世帯が達成した県が11あった。  キャンペーンは、前国王の故プミポン氏が提唱した「足るを知る経済」の哲学に基づき、タイ内務省コミュニティ開発局が考案。各地域のコミュニティ開発局がキャンペーンを全面的に支援し、種子や苗を一部提供。日本でもタイの自給自足を促すキャンペーンに注目が集まり、日系企業から有機肥料が贈られるなどの支援があった。  国際協力機構(JICA)によると、タイでは「コロナで収入は激減したが、自ら野菜を育てることで自然に寄り添う暮らしを改めて学び直す機会になった」(パトムターニー県の女性)といった声が続出。国民が農業や食料安全保障の大切さに気付くきっかけにもなったという。地域コミュニティーで作った野菜を分け合ったり、豊作となって近所の市場で販売し小遣いにしたりといった動きにもつながっている。

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