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ホーム転落事故、元日本代表の死無駄にするな ブラインドサッカー普及に尽力 「ホームドアがあれば」

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 JR新宿駅で昨年10月、ブラインドサッカー元日本代表で全盲の石井宏幸さん=当時(47)=がホームの下で電車に接触して死亡する事故があった。当初は自殺との見方があった。しかし、その後の捜査で遺書はなく、直前も自殺をうかがわせるような言動はなかったことが警視庁新宿署や友人らへの取材で分かった。誤って転落した可能性が高いとみられる。「競技の普及に尽力したかけがえのない人を失った」。友人らは突然の別れを惜しみ、一日も早いすべての駅へのホームドア設置を求めている。(共同通信=鶴原なつみ)  ▽過去にも誤ってホームから転落  事故は昨年10月2日午後7時15分ごろ、新宿駅15番線ホームで起きた。線路と退避スペースの間に倒れた石井さんの頭部に電車が接触し、病院に搬送されたが死亡した。「白杖(はくじょう)を手に線路へ下りるような様子だった」との目撃情報があった。  防犯カメラでは判断できず、携帯電話の解析や周囲への聴取でも自殺の兆候は見当たらなかった。家族の証言で、過去にも誤ってホームから転落していたことも分かった。

 ▽事故2日前、落語を聴きに  友人の男性(62)は突然の訃報に信じられない思いだった。事故の2日前、知り合いが演じる落語を一緒に聴きに行ったばかりだった。石井さんは「夢を実現するために一生懸命で感動した」と演者を褒め、楽しそうだった。亡くなる前日の昼には「刺激になりました。いずれにしても健康第一ですね」などと会員制交流サイト(SNS)で屈託のない文面も届き、男性は「またイベントがあったら一緒に行こう」と返した。  石井さんはその日、落語の演者にも「また観させて頂きますね!(原文ママ)」と力のこもったメッセージを送っていたという。  ▽ブラインドサッカー普及に尽力  日本ブラインドサッカー協会や友人によると、石井さんは2000年に緑内障が悪化し失明した。ブラインドサッカーを始めて日本代表となり、02年の日韓戦に出場。03年には協会理事として初の日本選手権開催を主導した。協会副理事長に就くと競技の体験会開催などに力を尽くした。12年に協会を退任した後はイベント会社を設立し、視覚障害者を支援する講演などを手掛けていた。

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