引退理由は「父親の介護でレースがおろそかに…」61歳のボート元女王・鵜飼菜穂子が有終V
ボートレースの女子王座決定戦を3連覇するなど、長きにわたって活躍した元女王、鵜飼菜穂子選手(61)=愛知=が29日、とこなめボートのヴィーナスシリーズ第15戦「常滑シンデレラカップ」を最後に引退した。ラストランとなった8Rはインからコンマ10のトップSで逃げて快勝し、通算1692勝目で有終の美を飾った。「エンジンが良くなっていたので心に余裕があり、自分のレースができました」と満面の笑み。十八番のレース運び、会心のイン速攻劇だった。 現役引退の理由について「父親の介護でボートレースがおろそかになり、勝率が落ちてしまったのが原因ですね」と説明。後輩に向けては「今の女子選手は目標が低過ぎます。この競技は男子と同じ土俵で戦えるのだから、もっと上を目指してもらいたい」と、女子のパイオニアはさらなる女子レースの発展を願って辛口エールを送った。 応援し続けてくれたファンに対しては「SG笹川賞(現オールスター・過去9回出場)に出られたのも皆さんのおかげ。いつも『鵜飼、頑張れ』と声を掛けていただき、本当にありがとうございました」と頭を下げた。8日に引退した今村豊さんと同じ48期生。男女のレジェンドレーサーが、ほぼ同時期に水面に別れを告げた。
中日スポーツ