「どうして株価は上がるか」その仕組み、言えますか?
株はなぜ上がるのでしょうか?どういう企業の株が上がるのでしょうか? 株は、その企業の所有権の一部であり、その企業の業績と将来への期待に応じて上がるのです。しかし一方で、わけもなく上がることもあります。株が上がる仕組みを知っておくことは、投資家にとってメリットです。今回は株の値動きについて、解説していきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。
株はその企業の「所有権の一部」
日本人の価値観には合わないからなのか、あまり言われませんが会社とは株主のものです。 社長やその関係者などで100%株式を保有している株式会社が、その人たちのものであることは疑いようがないでしょう。そして、100%自分たちのものだった会社の一部を投資家たちに切り売りする代わりに、より大きな資金を集めてより大きなビジネスをしようとするのが、株式の上場という行為なのです。ですからどちらの形態をとっても、会社が株主のものであることにかわりはありません。 一方、その株を買う投資家の側は、一度買った株が手放せなければ困ります。そこで証券取引所が自由に株を売買できるようにして、流動性を確保しています。このようにして、投資家間での株の売買がおこなわれているのです。 このように考えると、株式とはその企業の所有権の一部だといえます。そしてそれが、証券取引所で売買されているのです。事実、株主には株主総会での議決権が与えられ、配当金も支払われます。また、株主が持ち株比率を高めるほど、経営への様々な関与が可能になります。 そして株式市場は、その企業の「値段」をいつも示しています。それが「株式時価総額」であり、それは「株価×発行済み株式数」で計算可能です。 あくまで理論上ですが、多額の資金を持つ個人投資家がいて、一方で売ってくれる人がいれば、その投資家は株式をすべて買い取り、その企業を自分のものにできるわけなのです。