レッドブル&HRC密着:タイヤのオーバーヒートに苦しんだ決勝。渡辺社長は「提携最終年は2冠で締める」と2025年のタイトル奪還を誓う
この日のレッドブルは、2024年シーズンの悪かった部分が、すべて露呈してしまった1日となった。 【写真】2024年F1第24戦アブダビGP レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とHRCの渡辺康治社長 まずF1第24戦アブダビGPの決勝レースを4番手からスタートしたマックス・フェルスタッペンが、スタート直後の1コーナーで2番手からスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のインを突くが、立ち上がりでタイヤ同士が接触。大きく順位を落としてしまう。 さらにこの接触は審議され、スチュワード(審議委員)から10秒のタイムペナルティを科せられる。 「スタートはうまくいったから、イン側から前に出ようとしたんだけど、エイペックスでオスカーと接触しそうになることに気づいた。 なんとか縁石の上にクルマをとどめようとしたが、残念ながらタイヤをヒットさせてスピンしてしまった。 オスカーと接触するのは避けたかったし、彼にはすでに謝った」 フェルスタッペンはそう接触の状況を説明した。この接触によるペナルティを無線で知らされたフェルスタッペンは、この件についてレース後に尋ねられると、「20秒か30秒くらいのペナルティを食らうと思っていた」と明かした。 ピットストップでペナルティを消化したフェルスタッペンだったが、ピットストップ後はタイヤのオーバーヒートに苦しみ、厳しいレースとなった。最後までトップ3チームのペースに追いつくことができず、6位で最終戦のチェッカーフラッグを受けた。 「マクラーレンがマイアミGP以降、非常に強さを発揮し、浮き沈みの激しいシーズンだった。長かったけど、チーム一丸となって戦い、最終的にドライバーズタイトルを獲得できてみんなに本当に感謝したい。来年に向けて取り組むべき課題はあるし、すでにいいアイデアがある。でも、今はしばらくの間、仕事を離れ、リラックスして、友人や家族と過ごす時間を大切にしたい」 チームメイトのセルジオ・ペレスはそのマイアミGP以降、低迷。一時、復調したかに思えたが、最後までトンネルを抜け出せなかった。最終戦アブダビGPでは1周目にバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)と接触してスピン。コースに復帰する際にマシンにトラブルを抱えて、リタイアした。 「バルテリと衝突したのは本当に不運だった。僕はターン6に入ろうとしていたところを後ろからぶつけられた。レースを続けようとしたけど、駆動力を失ってしまい、リタイアするしかなかった」 コンストラクターズ選手権はマクラーレンに渡ったが、年間9勝はレッドブルが最多。その走りを支えたのは、ホンダ・レーシング(HRC)が開発・製造したパワーユニットだった。クリスチャン・ホーナー代表は言う。 「ホンダの安定性と貢献にも感謝の意を表したい」 最終戦アブダビGPを訪れていたHRCの渡辺康治社長は、そのホーナーと2025年に向けて、こう約束を交わしたという。 「ホーナーさんとは『来年は絶対にコンストラクターズタイトルを奪還しましょう』ということを約束しました。我々のコラボレーション最終年となる2025年は、ドライバーズ選手権も含めて、2冠で締めます」 [オートスポーツweb 2024年12月09日]