マキロイ惜しくもV逸 だが完全復活へ確かな手応え
欧州ツアーの2021年開幕戦、アビダビHSBC選手権はイングランドのティレル・ハットンの逆転優勝で幕を閉じた。最終日を単独トップでスタートした世界ランク6位のローリー・マキロイは単独3位と優勝にあと一歩手が届かなかった。しかし、完全復活向け手応えを掴んだようだ。 11月のマスターズ以来の競技復帰となったマキロイ。大会初日には舞台のアブダビGCの自己ベストを更新する「64」をマークし、「オフ返上で練習に取り組んだ成果がさっそく出てうれしい」と喜んだが、最終日は出だし3ホールで2つのバーディを奪いながら4番で痛恨の3パット(ボギー)。 「4日間で一番風が吹いてグリーン上でその影響がもろに出た。まさに4番のパットがそう」。そこから勢いが止まりハットンに逆転を許すことに。 「10番でハットンが微妙なパットを沈めてバーディ。自分はイーグルチャンスを活かせなかった。そこが勝敗の分かれ目。結果として11番をボギーにして完全にペースダウンしてしまった」 ハットンも同じことを言っている。「10番のバーディは大きかった。続く11番はティショットがバンカーに一瞬飛び込んで跳ねて出た。あそこでもしバンカーに捕まっていたらパーで上がれる保証はなかった。ツキがあったね。10番、11番が(優勝への)ターニングポイント」 昨年の今頃、マキロイは世界ランク1位だった。コロナによるPGAツアー中断前はベスト5を外すことがない抜群の安定感だった。ところがツアーが再開するや状況は一変。ベスト10入りはなくなり世界ランクもずるずると後退した。 それでもプレーオフシリーズ2戦目の「BMW選手権でヒントを掴んだ」と徐々に調子を取り戻し、新シーズン2戦目の全米オープンで8位タイ、マスターズでも5位タイと復活の兆しが見えてきた。 昨年8月には待望の第一子、ポピーちゃんが誕生し「この子のためにも勝ちたい」という思いがモチベーションになった。 そんななか迎えたアビダビでは優勝こそならなかったが「ショートゲームは良かった。グリーンを外しても上手く対処できていた。アイアンも悪くなかったし、あとはドライバーを安定させること。それから4日間いいラウンドを繋げるだけ」と自らのプレーを評価した。 次週は米ツアーのファーマーズ・インシュランス・オープンに参戦予定。「(アブダビから)今夜飛行機に乗れればね」と笑ったが、完全復活は近そうだ。