遠野を圧倒した神戸弘陵が5-0完封で2回戦へ
神戸弘陵学園の徳弘匠が随所で“魅せる”プレーを披露
12月31日、ゼットエーオリプリスタジアムで第99回全国高校サッカー選手権大会1回戦2試合が行われた。第2試合は神戸弘陵学園(兵庫)がエースFW徳弘匠を中心とした精度の高い攻撃で遠野(岩手)を圧倒。5-0で下し、3962校の頂点に向け2回戦へ進出した。 【日程結果】第99回全国高校サッカー選手権 好ゲームが期待された試合は開始直後から動く。右から左へと攻める神戸弘陵学園がキックオフ30秒で遠野の出ばなをくじく。10番のFW徳弘匠がドリブルで突破、エリア内でパスを受けた14番のFW松野隼輝が右足を振り切るとボールはゴール中央に吸い込まれる。ファーストアタックを得点に結びつけた神戸弘陵学園が、まずは試合の主導権を握った。 キックオフ直後に失点したものの、その後は落ち着きを取り戻した遠野。しばらく一進一退の攻防を繰り広げるが、前半17分過ぎにまたも神戸弘陵学園が好機を演出。FW徳弘匠が遠野のGK山下夏輝との競り合いに勝ちシュートを放つと、ボールは無人のゴールに向かって一直線。2点目が入ったかと思われたが、遠野のDF4番山蔭一夢が体を張ったプレーでゴールラインのギリギリでボールをかき出し、2失点目をどうにか逃れた。 守備を立て直し得点へと結びつけたい遠野。5番の高橋和志、15番の鈴木駿介の両DFを中心に5バックを敷く堅いディフェンスが機能しはじめたかと思われたが、前半30分過ぎに神戸弘陵学園が追加点をあげる。左サイドをかけ上がったDFの5番小倉慶士が粘りながら中央へパス。ボールを受けた10番の徳弘匠が冷静にゴールを決めた。 前半のうちに1点でも返したい遠野は、10番のエースFW平賢心にボールを集めるが、なかなかチャンスを生み出すことができない。すると神戸弘陵学園は前半終了間際、セットプレーから3番のDF橋本翔和の折り返しをFW松野隼輝がヘッドでズラして3点目を奪い、3点のリードを奪って前半を終了する。 後半に入っても攻撃の手を緩めない神戸弘陵学園。開始早々の6分にFWの9番田中祉同が4点目のゴールを奪い、試合の主導権を与えない。両サイドバックがウイングのような高い位置まであがるなど攻め続け、ボールを支配する神戸弘陵学園。なかなかチャンスをつかめない遠野は、後半20分すぎまでシュート1本。防戦一方の遠野は後半の25分過ぎにMFの渡邊慶丞を投入して状況の打開をはかるものの、なかなか好機は生み出せない。 後半に入って選手層の厚さを見せつける神戸弘陵学園は、後半33分、FW西崎千翔からのクロスに11番のFW牧野隼也が頭を合わせ、ゴール右隅に5点目を叩き込む。 劣勢ながらも遠野は全員が献身的なプレーを見せ、決して試合をあきらめない。試合終了間際にエースFW平賢心、8番の渡邊慶丞を中心に必死にゴールを奪おうとするも、神戸弘陵学園のディフェンスを崩せない。 結局遠野は神戸弘陵学園からゴールを奪うことができず、試合は5-0のまま終了。県予選5試合で32ゴールを量産した攻撃力を見せつけた神戸弘陵学園が圧勝した。 神戸弘陵学園の谷純一監督は関東一(東京B)との次戦に向け「年内が勝利で終われたので、年明けも勝利を飾れるように頑張りたい」と抱負を語った。神戸弘陵学園としては県大会でノーゴールだったFW田中祉同にゴールが生まれたことは今後の戦いに向け大きな意味を持つだろう。