犬猫殺処分減った 佐賀県内、直近7年で最少 2021年度
2021年度に佐賀県内の保健福祉事務所に収容された犬の殺処分数は23匹、猫は112匹で、ここ7年で最も少なかった。動物愛護法の改正で引き取り数が減っていることなどが減少につながっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で譲渡センターの来館者数が減少し、譲渡数も大きく減少した。 県生活衛生課のまとめによると、21年度に捕獲や引き取りで収容された犬は前年度比40匹減の190匹。4年連続で減少した。うち自然死を含めた殺処分数は前年度比7匹減の23匹、譲渡は16匹減の69匹。返還は11匹減の103匹だった。殺処分数は2年連続減、譲渡は4年連続減、返還は2年ぶりに減少した。 ▼有料▼ 猫の収容は39匹減の232匹で2年連続減。殺処分数は52匹減の112匹、譲渡は13匹減の110匹、返還は1匹減の1匹だった。殺処分数は2年連続減、譲渡は3年ぶり減、返還は2年ぶりに減少した。 統計上、殺処分数は殺処分と自然死の合計数になっており、今回から過去7年分の内訳も公表された。犬は8割超が殺処分で過去5年は27匹(17年度)-50匹(18年度)-56匹(19年度)-25匹(20年度)-20匹(21年度)。猫も殺処分が多く、220匹-164匹-131匹-88匹-34匹。 猫の殺処分が多いのは、収容される多くが生後間もない子猫で、数時間ごとの授乳や排便の促しができずに弱ってしまい、殺処分に至るケースがあるため。ただ、昨年から授乳期の子猫を一時預かる「ミルクボランティア制度」を始めたことが減少に寄与している。 新型コロナウイルスの影響も出ている。譲渡の6割超は武雄市にある県犬猫譲渡センターで行われているが、コロナ対策で入館を予約制にしたことで、ここ3年の来館者数は3124人-1939人-1829人と流行前から4割ほど減少。センターの譲渡数も213匹-161匹-120匹と減っている。 県生活衛生課は「(引き取りを拒否できるようになった)改正動物愛護法の施行などで収容数が年々減っていることが殺処分数減少につながっている。不妊・去勢手術やマイクロチップ装着なども進め、命を大切にする飼養を呼び掛けたい」と話す。(小野靖久)
小野靖久