朝食の前or後?ジョギングで脂肪を燃焼しやすいのはどっち?
起床後すぐに走るためには、それなりのモチベーションが必要だ。何も食べずに走るとなると、さらにもっと高い目的意識がいる。けれど、それが脂肪を減らすための最適な方法なのかも...。真偽のほどはいかに? スポーツ医とランニングコーチが答えてくれた。 ジョギング時、スッキリ目覚める秘訣は? 「私たちの体がエネルギーを作るためには、炭水化物、脂質、タンパク質という3つの栄養素が必要です。通常、身体が処理しやすい炭水化物が、最初にエネルギーとして利用されます。しかし夜の間何も食べなかった朝の空腹時などには、炭水化物が利用できない状態になるため、体は、蓄積した脂肪をエネルギーとして利用します」とランニングコーチであるオリヴィエ・ガイヤールは説明する。ガイヤールによると、10時間以上食事を抜いた後にジョギングをすると、体は50%の脂肪を燃やすが、朝食を取った後だと30%しか燃やすことができないという。
空腹時に1時間以上走ってはいけない
けれども起き抜けに2時間走れば、3週間後に下腹部のぜい肉が落ちるなどと思わないでほしい。「空腹時のランニングは、魔法のダイエット法ではないのです。脂肪を減らしたければ、食事の栄養バランスを見直す必要があります」とパリのスポーツ医ジャン=クリストフ・ミニオは力説する。 やはり、そう簡単にはいかないようだ。さらに空きっ腹で走り過ぎると、体に悪影響を及ぼすかもしれないという。「1時間以上頑張ってしまうと、体は筋肉に備蓄されているタンパク質を利用しようとします。そうすると筋肉の衰えを招きかねません」とミニオ医師は強調する。医師はさらに、次のように警告する。「1時間を過ぎると弊害が増えるだけなので、頑張りすぎには要注意。筋細胞だけでなく必須脂肪酸も分解することになります。さらに脂質が分解されると、腎臓にとっても有害な物質が生成されてしまいます」 専門家は2人とも、次のようなセッションを週に1~2回行うようアドバイスする。最初は20~30分のジョギングから始め、徐々にその時間を長くしていく。メニューをこなす際は、息切れせず話せるくらいの速度を保つこと。インターバル走ではなく、軽めのジョギングをゆっくりと行うこと。「筋肉のタンパク質を分解させないよう、最大心拍数の70%を超えないように注意すること」とオリヴィエ・ガイヤールは話す。