忙しくてご飯を食べる時間がない朝にちょうどいい…電車や車の中でも食べられる「タイパ抜群」の食べ物
ユーグレナ(ミドリムシ)は期待値が低いからギャップが大きい
ユーグレナのドリンクが販売されてから10年。今ではユーザーが増え、長く飲み続けている人もたくさんいます。なぜ長く続けられるのかと出雲社長に聞いたところ、「ミドリムシは期待値が低めだからですよ」と意外な言葉が返ってきました。 からだにユーグレナを飲んで体調の変化を感じる人もたくさんいますが、最初はそれほど期待をしていないものです。「騙されたと思って」と言いますが、まさにその状態。でも実際に飲んでみて自分が思った以上の変化があれば、その後はもう手放せなくなるでしょう。期待値が低ければ低いほど、効果を感じた時の驚きや感動は大きくなるものです。 他方、長く飲んでいるとだんだんと効果がわからなくなるのも事実。筆者も長く愛飲していますが、だからこそ今の時点で何が違うのかわからなくなっているのです。かと言って、明日から飲むのをやめますか?と聞かれたら、やめませんと答えます。なぜなら、やめるのが怖いからです。もしやめたら、今の体調を保てなくなるかもしれない。 多分ユーグレナを摂取することで、老いと健康が絶妙のバランスで保たれているのではないかと思うと、続けることを選んでしまいます。この感情が正しいのかどうかはわかりません。でも筆者のような感覚も、人としてあり得るものなのでしょう。
若い世代へのアプローチが課題
からだにユーグレナの今後の課題としては、20代、30代といった若い世代へのアプローチがあります。健康食品としてユーグレナを摂取しているのはシニア層が多いからです。若い世代は、「ユーグレナ」を健康食品ではなく、「株式会社ユーグレナ」という企業として捉える傾向が強いそう。株式会社ユーグレナは、東京大学初のベンチャー企業として話題になりましたし、会社が掲げる「Sustainability First」という考え方、バングラディシュでのソーシャルビジネス、そして新しい挑戦をしていくワクワクする働き方に共感しています。これはもはや「推し活」と同じ。推しのグッズを買うのと同じ感覚で、この企業が好きだからユーグレナを使った健康食品を購入していきます。 逆に考えると、ユーグレナの栄養素や効果にはあまり着目することがなく、長く愛飲することにはつながりにくくなってしまいます。若い世代は健康面でもあまり不安要素がないことも、アプローチの難しさとなっているのです。 でも、若い世代もいずれはシニア世代となっていきます。その時、自分の健康に不安があったら、やりたいこともできなくなる可能性があります。昨今健康寿命という言葉が飛び交うようになりましたが、いかに健康上の問題なく日常生活を送っていくのか。まだまだ時間がある若者だからこそ、考えたり自分で健康な身体を作ったりする時間があります。毎日コツコツと続けていくこと、それが人の未来を左右していくのでしょう。 自身で会社を立ち上げ「ミドリムシで世界を救う」と言った出雲社長は、若い世代に強く期待をしているのかもしれません。この世代が健康であることが、次の世代につながっていき、結果的に人類や世界の健康につながる。ものすごく長い時間軸で「健康」を考えているのだろうなと思うと、取材中目の前で話しているこの人を尊い存在のように感じてしまいました。
川崎 さちえ(フリマアプリ・ネットオークションガイド)