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心を病むFBスタッフ、不適切なコンテンツの監視がストレスに 極右に傾倒する人も

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The Guardian

【記者:Alex Hern】  交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは数か月前から数千人に上る外注スタッフの就業条件の改善に取り組んできたが、不適切なコンテンツを監視するモデレーション業務のスタッフが抱える精神的なストレスはいまだに解消されていないことが本紙の取材で明らかになった。  ドイツのベルリンにあるフェイスブックのモデレーション・センターで就業中のスタッフや元スタッフは、同僚が刺激の強いコンテンツの「依存症」になり、もっと過激なコンテンツを個人的に収集するようになっていくのを目にしてきたと話した。ヘイトスピーチやフェイクニュースを毎日大量に読むせいで、極右に傾倒するようになった同僚もいるという。  モデレーターたちは、作業量の多さに疲弊し、「最低賃金も同然」の給料を得るために夜や週末も入れて1日8時間、生々しい暴力やヌード、暴行や嫌がらせが含まれたコンテンツを入念にチェックしなければならず、麻痺してしまったと話した。  モデレーション業務の中でも、議論されることはほとんどないが、特に苦痛をもたらす仕事がある。それは、性的搾取の可能性があるとアルゴリズムが認識した、大人と未成年者の個人的な会話を精査する仕事だ。  ある男性モデレーターによると、このようなプライベートなチャットは「90%が性的」で「ぞっとする違反行為」だ。この男性は、「(そうしたやり取りをチェックしていると)私たちが毎日築き上げている社会がいかにディストピアなものであるかが分かってくる」として、「欧米の裕福な白人男性たちがフィリピンの子どもたちにメッセージを送り、性的な写真を10ドルか20ドルで手に入れようとしている」と続けた。  スタッフは、フェイスブックとは秘密保持契約書を交わしているため、匿名を条件に話を聞かせてくれた。元モデレーターのダニエルさん(仮名)は、次のように話す。「私たちはある意味、この分野での先駆けだ。過去にはなかった仕事で、あらゆることが基本的には実験だ」  ダニエルさんの元同僚のジョンさん(仮名)は言う。「私が今日ここでこんな話を打ち明けるのは、他の人にはこの穴に落ちてほしくないから。現代社会に生きる私たちは、新しいもの、つまりインターネットに出合った。ネットに対処するために、私たちは何らかのルールを決めなければいけない」 「例えば、SNSユーザーを、虐待やハラスメントをしてくる相手、ヘイトスピーチ、人種的な偏見、高度なポルノ用ソフトウェアなどから守る目的でチームを作るのは重要だ。しかし、こうした仕事をするには議論が欠かせないと思う。私たちの体験を共有する必要がある。というのも、私たちのことや私たちの仕事、生活費を稼ぐために私たちがどんなことをしているのか、誰にも知られていないからだ」

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