【特集】「息子の顔が見たい」出産前に視力を失った女性 世界初のiPS網膜細胞移植手術は「希望」
見せて頂いたものが、iPS細胞から作った網膜です。そして、この網膜をシート状にして患者の目に移植されます。 (桑原篤さん) 「(シートは)直径1mm程度の細胞のかたまりになります。この中に視細胞のもとになる細胞が豊富に含まれています。今まで作れなかったこの網膜を安定して作れるようになりました。今後、臨床に向けて、さらに高い品質の網膜を作るべく、研究を続けていきたいという風に考えています。」 人に移植できるシートを作りあげるまで、約9年かかったといいます。今回の移植手術で安全性や有効性が確認されれば、実用化される予定です。
(桑原篤さん) 「こちらで治療するための技術を育てていくことで、いつか網膜色素変性が治るような疾患にできるように頑張りたい。」
「息子の顔を見たい」移植手術に希望
移植手術に期待を寄せる前川さん。これまでも、そしてこれからも、奏羽君の成長の記録を残してもらうようにしています。10月18日は公園で奏羽君の遊ぶ様子を夫の雅亮さんが撮影していました。
(前川裕美さん) 「本当に何の希望も抱けなかった頃に比べたら、今は本当に天国のようというか夢のようだなと思いますね。(Qもし目が見えるようになったら一番何を見たいですか?)もちろん、まずは息子の顔を見たい。ほんのちょっと見えるようになっただけでも、めちゃくちゃうれしいと思います。」 公園で遊んでいた奏羽君。前川さんのもとへ駆け寄ります。
(奏羽君)「ママー」 (前川さん)「遊んできた?暑くなっちゃった?大丈夫?」 (奏羽君)「大丈夫だよ。」 (前川さん)「何で遊んできたの?遊具?」 (奏羽君)「遊具。」 (前川さん)「滑り台?」 (奏羽君)「うん。」 前川さんの瞳は希望に輝いています。 (10月21日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)