【競泳】佐藤翔馬が世界記録に迫るタイムで男子200平制す 超新星は初の五輪へ「代表選考会で世界新を」
競泳の北島康介杯最終日が24日、東京辰巳国際水泳場であり、男子200メートル平泳ぎでは佐藤翔馬(19)=東京SC=が世界歴代4位となる2分6秒78で優勝した。チュプコフ(ロシア)の持つ2分6秒12の世界記録にも迫る快記録で、金メダルを狙う今夏の東京五輪へ弾みを付けた。 競泳界の超新星・佐藤の進化が止まらない。スタートから大きなストロークで他を引き離すと、150メートルからはピッチを上げた。電光掲示板には、昨年10月の日本学生選手権(インカレ)でマークした自己ベストを0秒24更新する好記録が浮かんだが、見上げた佐藤は顔をしかめた。 「日本記録まであと0秒11。切っておきたかった。(渡辺)一平さんは大学2年時に日本新を出している。そこに及ばなかったのが残念」。佐藤は慶大の2年。日本記録保持者の渡辺を、当時の渡辺と同じ学年で追い抜きたい思いがあった。 世界水準のタイムの背景は、「ラスト50メートル」の成長だ。3カ月前のインカレではハイペースを刻みながら最後に失速。反省から、「ラストを重点的に鍛えた」と言う。 練習では、50メートルを20本繰り返す過酷なメニューを取り入れた。「最後の方でも手を開いて大きな泳ぎで、1本目と変わらず泳ぎ続けることを意識した」。疲れても乱れないフォームを体に染み込ませ、「今日はラスト50も落ち着いて泳げた」と進化を実感した。 五輪2大会連続2冠の北島康介さんと同じ東京SC育ち。レース後には、今大会を主催する東京都水泳協会の会長を務める北島さんから、「まだ上がるんじゃない?」と声を掛けられたという。 「今日6秒台が出るとは思わなかった。出たということは、思った以上に成長している。世界レベルは見えている。代表選考会で世界新を出したい」。初の五輪が懸かる4月の日本選手権。佐藤はさらなる驚きを予告した。
中日スポーツ