「衝撃の“作画崩壊”!」安彦良和監督も「見るに堪えなかった」と言及、琵琶湖畔にたたずむドアン専用ザク
■制作にあたり15話を見直す「子どもたちも一緒に登場させるしかない」
――ちなみに、“作画崩壊”として語り継がれていることはご存じだったのですか? 【すみちー】当時は家庭用のビデオデッキもない時代でしたので、“作画崩壊”についてはまったく気が付いていませんでした(笑)。大人になってから見直してみましたが、確かにあの画はすごいですね(大笑)。 ――安彦監督も会見で「見るに堪えなかった」と話していますしね。本作完成後、SNSで発表される際には、完成画像と共に「君はこの子どもたちのために戦えるか。君の仲間とでも。」というコメントと、砂浜にいる子どもたちの姿が印象的でした。本作はどのようなストーリーをイメージして制作されましたか? 【すみちー】ドアン専用ザクを作ることを決めた後、テレビ版の第15話を久しぶりに見直しました。やはりドアン専用ザクをヴィネット(小型の立体模型)化するのであれば、子どもたちも一緒に登場させたくなりました。なので、ヴィネットの再現場面を、浜辺のドアン専用ザクと子どもたちのシーンに決めました。写真撮影は背景を海っぽくしたかったですが、滋賀県在住なので琵琶湖の畔でごまかしました(笑)。 いざツイッターに投稿する際に何とコメントしようかといろいろと考えました。書きたいことはたくさんあったのですが、作品の印象が薄れるだけのような気がしてなかなか決まりませんでした。ふとスマホで「ククルス・ドアンの島」の映画予告を見ていたら「君はこの子どもたちのために戦えるか。君の仲間とでも」のドアンのセリフがあり、これだけで十分伝わるのではと思い投稿しました。 ――本作に対するSNSでの反応も含め、『ドアン専用ザク』は不格好であるにも関わらず、多くのガンダムファンを魅了しています。そうさせる『ドアン専用ザク』の魅力とはどんなところにあると思いますか? 【すみちー】『ドアン専用ザク』そのものが魅力的なのではなく、ククルス・ドアンが魅力的なキャラクターなのだからだと思います。守るべきものがある男は強いですし、魅力的ですから。 ――確かにそうかもしれませんね。本作も含め、「ガンプラ」を制作するうえで心がけていることをお教えください。 【すみちー】自分自身が楽しんで作る事を心がけています。より楽しむために今回の『ドアン専用ザク』のようにテーマを決めて作る事が多いです。 ――ご自身の楽しさを、作品を発表することでみんなに伝えていく。素晴らしいことだと思います。最後に、ご自身にとって「ガンプラ」とは? 【すみちー】単なる趣味のひとつです。ただ、相当に人生を豊かにしてくれる趣味ですね(笑)。進みゆく老眼に耐え、孫と一緒にガンプラを作ることが今後の目標です。まだかなり先の話になりそうですが(笑)。