「衝撃の“作画崩壊”!」安彦良和監督も「見るに堪えなかった」と言及、琵琶湖畔にたたずむドアン専用ザク
『機動戦士ガンダム』の第15話の「ククルス・ドアンの島」にフィーチャーした、映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が6月3日に公開となる。同話に登場する『ドアン専用ザク』の頭部が、通常のザクとはバランスが異なり、ガンダムファンの中で“作画崩壊”として語り継がれているのは有名な話。今年3月に行われた同映画の会見で監督の安彦良和氏もこれに言及し、「見るに堪えなかった」と明かしている。既にガンプラ化も決定している『ドアン専用ザク』だが、モデラーのすみちーさん(@YMS07B_sumichi)は、一足先に旧キットで再現。“作画崩壊”感を見事に表現し、約5000いいねを集めた。本作誕生の裏側を聞いた。 【ビフォーアフター】旧キットザクが“劇的”変身…ドアン専用ザクができるまで(全13枚)
■旧キット量産型ザクを見て、イメージが膨らむ
――映画化も話題の「ククルス・ドアンの島」ですが、同話を象徴する『ドアン専用ザク』を制作し、SNSで賞賛されました。この反響をどのように受け止めていますか? 【すみちー】正直に言って、まさかここまでの反響があるとは思っていませんでした。作品の出来自体もそれほど上手い訳でもありませんので。ただ、テーマが『ドアン専用ザク』でしたので、映画公開のタイミングも近かったこともあって、多くの方に見てもらえたのではないかと思います。テレビ版を忠実に再現はできたわけではないのですが、「再現度が高い」と言っていただけてうれしかったです。 ――映画公開があるとはいえ、まだガンプラ化されていない『ドアン専用ザク』を作ろうと思われたのは、どのようなきっかけだったのでしょうか? 【すみちー】実は、最初から『ドアン専用ザク』を作るつもりではありませんでした。旧キットの1/144 量産型ザクを仮組みし、姿を眺めていたら、だんだんと旧キットの独特のフォルムが『ドアン専用ザク』に似ているなと思い始めたのがきっかけでした。ちょうど6月に安彦良和監督の映画が公開されるのも、丁度いいタイミングだと思いました。まさか「ククルス・ドアンの島」が映画化されるとは、当時の子どもたちは思いもしなかったことですしね。 ――ドアン専用ザクの大きな特徴と言えば、なんといってもバランスの悪い頭部です。これは表現するのが難しいのではないかと思いますが、頭部を制作する際に気を付けたことはどんなことですか? 【すみちー】テレビ版をモデルとして忠実に再現すると頭部は相当デフォルメが必要だと思います。ただ、映画版の『ドアン専用ザク』がテレビ版をオマージュしつつも、かっこ良かったのでそれを意識して改造してみました。 ホームページなどで調べてみると、映画版の『ドアン専用ザク』は脱走後に倒した相手の機体から部品を回収してドアン自身で改修を行った設定になっていました。ですので、今回のガンプラでは、顎の部分をいったん切り離し、取り付け角度を変更して再接着して、ドアン専用ザクの特徴的な面長な印象を出すように心がけました。頭部のパテ盛りやヤスリがけだけで3日くらいかかったと思います(笑)。