米MMF総資産が初の7兆ドル超え、信頼できる高利回りが資金呼ぶ
(ブルームバーグ): 米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)運用資産総額が7兆ドル(約1100兆円)を突破した。信頼できる高い利回りが投資家の人気を呼んでいる。
同総額は13日までの1週間に約910億ドル増加。MMFや投資信託業界を追跡する調査会社クレーン・データが明らかにした。
MMFの総資産は数カ月前から過去最高を更新し続けており、米金融当局が政策金利を20年ぶり高水準から引き下げる中でも人気を維持できるのかという疑問に答えを出している。
米金融当局が9月に0.5ポイント、今月さらに0.25ポイントの利下げを実施した後も、投資家はMMFに資金を投入している。銀行預金といった他の金融商品より利回りが高いことが主な理由だ。
米経済の強さやトランプ次期大統領が公約しているインフレ誘発的な政策を踏まえると、米金融緩和サイクルの度合いもまだ分からない。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「成長が力強くインフレは根強いという足元の環境において、利下げを正当化するデータはほとんどない。とりわけ関税を巡る不透明感や規制緩和の可能性がアニマルスピリッツに寄与している中ではなおさらだ」と指摘。「そういう状況であるなら、急いでMMFから資金を引き揚げて他の資産に移動する必要があるだろうか」と話した。
原題:US Money-Market Fund Assets Surpass $7 Trillion for First Time(抜粋)
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Alex Harris