「盗撮されているんじゃないか…とトイレで不安に」車椅子生活で実感 “男女共同の多目的トイレ”に警鐘「性犯罪の温床にも」
男女別だったのに、男女共有への改修も…
みずさんが公共のトイレについて考えるようになったのは数十年前のこと。今では当たり前に設置されていますが、当時の女性用トイレには赤ちゃん用のベッドが置かれていることは少なく、行政へ働きかけたことも。 このことをきっかけに女性用トイレに注目すると、女性の意見を反映させている女性用トイレは少なく、不便に感じる点が多々あること、それゆえ我慢することも多いことが見えてくるようになり、多目的トイレもそのひとつでした。 「多目的トイレが男女共同のままなのは、経費がないから、男性は困らないから、男女別にしなくても社会は回っていくから、などの理由だと思います。この問題の根本には女性蔑視、女性差別があるのでは?」と訴えます。 東京や大阪の主要駅や公共施設、商業施設などの多目的トイレの設置状態を調べてみたところ、大阪メトロでは男女別に多目的トイレを設けている駅はあるものの、男女共用の多目的トイレが大多数。横浜高速鉄道株式会社の「みなとみらい線」が男女別に設けて注目を集めたこともあったため確認をとったところ、「どんな人でも、男女関係なく、利用できる」という国のガイドラインに沿って、男女共用に改修を進めているとのこと。みずさんも、そのような改修の現実を目にしていると言います。 「人はいつどんな状況になり車椅子生活になるかわからないのに、車椅子の生活があまりに蔑ろにされているのではないか、高齢化が加速し、車椅子の人が増える今後に向けて、一刻も速く男女別の多目的トイレが常識となれば。性犯罪を未然に防ぎ、一人ひとりの自尊心のためにも男女別の多目的トイレが当たり前の世の中になって欲しい」。みずさんのように願う人は多いのではないでしょうか。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
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