「女性活躍」が重い 育児に仕事、何役すれば…
キャリア、夫選びが左右
一方で、それだけの環境を整えなければ「女は活躍できない」と突き付けられているようでもある。この前、後輩が言っていた。家事が完璧な「ナギサさん系男子」と結婚したいと。話題になったドラマに出てくるのは、多忙なアラサー独身女性を支える男性の家政夫ナギサさん。「正しい選択ですよ。今の時代、仕事を続けたいなら、家庭にコミットできる夫じゃないと」 キャリア継続のため、「戦略的な夫選び」をした女性もいる。5歳の息子を育てる広島県内の40代公務員は、家庭と仕事の両立に悩む先輩や、退職を選ぶ友人を多く見てきた。「家で戦力になる夫なら私はとっくに管理職」と話す人もいて、結婚するなら家事力がある男性と決めていた。 たどり着いたのが7歳年下の会社員の夫。30代の男性は性的役割分担の意識が薄く、家事・育児に積極的な人が多い。女性がフルタイムで復帰後、夫は迷うことなく育休を取った。得意の家事に加えて料理も猛特訓。今も週末に作り置きしてくれるし、保育園の送迎も半々。残業しても罪悪感がない。 「2人で稼いで家庭を運営するのが当たり前だと思っている。男の変なプライドがないんですよ」。夫は高給ではないが、2人合計なら少し余裕のある生活ができる。仕事に理解を示してくれるのが何よりありがたい。 女性は今、管理職を打診されている。夫も応援してくれるし、引き受けようと思う。ワーママに必要なのは「活躍」という言葉でも数値目標でもない。「頼れる夫ですね」 ◇ 「女性活躍推進法」が2015年に成立して5年。少子化で労働力が不足する中、女性たちには「輝け」と求められるが、差別や偏見はなかなかなくならない。仕事だけでなく、家事も、育児も、介護もと期待され、疲弊する人も少なくない。「ジョカツ」に戸惑う職場の声に耳を傾けた。
中国新聞社