ウクライナ、英国製長距離ミサイルでロシア領を攻撃か 米国製に続き
ロシアの侵攻を受けるウクライナが20日、英国製の長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」でロシア領を攻撃したと複数の欧米メディアが報じた。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、複数のミサイルが少なくとも1カ所の軍事標的に向けて発射されたと西側諸国の高官が明かしたという。ミサイルはウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州に落下したとみられる。 【図解】地対地ミサイル「ATACMS」 どんなミサイル? ストームシャドーがロシア領内に使用されたのは初めて。ウクライナに供与された長射程のミサイルでは、19日の米国製のATACMS(エイタクムス)に続く使用となった。 英国防省はフィナンシャル・タイムズへのコメントを拒んでいるという。 ストームシャドーは射程約250キロ。英国が昨年ウクライナに供与し、これまではクリミア半島などウクライナのロシアの占領地域で使用されてきた。ウクライナ側からの要請を受け英国内でもロシア領に対する使用を認めるべきだとの声が上がっていたが、政府はミサイルを共同開発したフランスや米国の同意を得る必要があるとの立場を取っていた。 8月にウクライナ軍が越境攻撃を開始したクルスク州では、これまでに露軍が占領された地域のほぼ半分を奪還したとされる。戦況は膠着(こうちゃく)しているが、10月以降1万人以上の北朝鮮兵が同州に派遣され、露軍と合わせた5万人の兵力が近く猛攻に出ると予想されている。【ベルリン五十嵐朋子】