<頂点へ>2020センバツ明石商 戦力分析/上 投・守、1年先輩と同レベル /兵庫
中森俊介投手(2年)、中堅手の来田涼斗主将(2年)の注目コンビを擁し、今春のセンバツで初の頂点を狙う明石商。今年のチームの強さの秘密はどこにあるのか。2019年秋の公式戦データを基に「投手・守備力」「打・機動力」「総合力」の順で3回にわたり実力を分析する。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 今年のチーム(新チーム)の力を分析する上で、格好の比較対象がある。春夏連続で甲子園4強に進んだ前年のチーム(旧チーム)だ。18年秋の成績と比べると、投手力、守備力とも、ほぼ同じレベルにあることが分かる。 ■投手力 最速151キロを誇る中森投手は19年秋、本調子ではなかった。夏の甲子園の疲れもあって制球に苦しみ、要所で甘い球を痛打される場面が目立った。奪三振率も10に届かなかった。それでも防御率、与四死球率ともに1年生エースだった18年秋から数字が良くなった。最上級生になり、悪いなりに相手を抑える「エースの投球」を身につけたことが分かる。 二番手の中野憂翔投手(2年)は技巧派右腕。与四死球率が低く、防御率も1・54とまずまず。18年秋に活躍した宮口大輝投手(3年)と比べると投球回数こそ少ないが、安定感はひけをとらない。今大会から実施される球数制限(1週間で500球まで)を考えると、紫紺の大旗に手が届くかは、中野投手の出来が鍵を握りそうだ。 ■守備力 狭間善徳監督が「うちは守りのチーム」と語る通り、守備は堅い。1試合平均失策数は0・57で、旧チームの0・67をしのいだ。 名村康太郎捕手(2年)は秋の全7試合でマスクをかぶった。旧チームの水上桂捕手(3年)=楽天入団=よりも補殺が少なく、フィールディングや盗塁阻止能力では一歩及ばないと言える。一方で、許した盗塁は3と水上捕手の半分で、捕逸もゼロと安定している。「守りの要」として健闘している。 ……………………………………………………………………………………………………… ■新旧チームの守備力比較■ 19年秋 18年秋 試合数 7 9 失策 4 6 (内訳) 内野 3 3 外野 1 1 投手 0 1 捕手 0 1 平均失策 0.57 0.67 捕逸 0 0 打撃妨害 0 0 許盗塁 3 6 併殺 3 8 ※「平均失策」は1試合平均 ……………………………………………………………………………………………………… ■新旧チームの投手力比較■ 試合 完投 完封 回 被安打 奪三振 与四球 自責点 防御率 奪三率 与四率 <2019年秋> 中森俊介(2) 7 4 1 41回1/3 35 43 14 9 1.96 9.36 3.05 中野憂翔(2) 3 0 0 11回2/3 7 10 2 2 1.54 7.71 1.54 <2018年秋> 中森俊介(1) 6 2 2 31回1/3 21 43 15 8 2.30 12.35 4.31 宮口大輝(2) 7 3 1 48回1/3 34 51 23 5 0.93 9.50 4.28 ※丸囲み数字は該当年度の学年。「与四球」は死球含む。「奪三率」は奪三振率、「与四率」は与四死球率 〔神戸版〕