「証拠を見せてほしい」で批判殺到 宝塚歌劇団の「醜悪会見」巡って渦巻く強烈な”嫌悪”の正体
俳優の女性(25)が9月に急死した問題で、14日に記者会見を開いた宝塚歌劇団。 PR戦略コンサルタントの下矢一良さんは、「日本の旧態依然とした伝統的大企業の今を象徴するかのような会見だった」と評すると同時に、「謝罪会見には2つの目的があるが、宝塚歌劇団の親会社である阪急電鉄の役員たちは、そこをまったく理解していなかった」と指摘します。 『タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略』などの著作を持つ、下矢一良さんによる不定期連載「広報・危機対応のプロは見た! ピンチを乗り切る企業・人の発想」。著者フォローをすると、下矢さんの新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます(著者フォローはプロフィールページか、記事最後のボタンからできます)。 【写真】親会社はスルー
■記者会見で感じた「嫌なもの」の正体 久々に「嫌なもの」を見た気がした。「嫌なもの」とは、宝塚歌劇団所属の女性がマンションから転落死した問題で劇団が開いた記者会見だ。 私も東京で宝塚歌劇団の公演を見たことがあるが、若い女優が華麗に舞い、歌う姿は実に華やかだった。しかし今回の宝塚歌劇団の初老の男性幹部による会見は「華やかさ」とは正反対の、何か「嫌なもの」を感じさせるものだった。 宝塚歌劇団は言うまでもなく、関西を代表する名門企業・阪急電鉄の傘下にある。会見に登壇したのは、阪急電鉄の役員たちだ。
劇団の記者会見で私を含む、多くの人が感じた「嫌なもの」の正体。それは「大企業のエリート社員が組織と自己の保身にひた走る姿」だったのではないか。 加えて「周到な準備を重ねた跡がうかがえるにもかかわらず、狙いがことごとく失敗している」ことも、いかにも「日本の旧態依然とした伝統的大企業の今」を象徴しているようで、どこか哀しさを感じさせる。 劇団が記者会見で犯した「エリートゆえの過ち」とは何だったのか。そして不祥事による会見で、企業が意識すべき「最も大切なこと」は何なのか。