【12月の年金振込までにチェック】厚生年金や国民年金から「天引き」されるお金とは
10月の年金振込で「通帳を思わず二度見した?」老齢年金の意外な盲点
老齢年金から特別徴収(天引き)される税や社会保険料のいくつかは、徴収額が10月に本決定されます。6月に確定する前年度の所得をもとに、1年度分の徴収金額が決定されるからです。 そこで、所得が未確定の8月納付分までを「仮徴収」といい、特別徴収される金額は前年2月と同じです。これに対し、10月納付分以降が「本徴収」となります。 「10月支給分の年金から天引き額が増えて、振込額が減った気がする!」と、思わず通帳を二度見したという人もいるかもしれません。 ※ただし8月を本徴収の開始とする自治体もあります。必ずお住まいの自治体の情報をご確認ください。
厚生年金・国民年金《令和シニアの受給額》みんなの平均ひと月いくら?
さいごに、今のシニア世代の老齢年金事情をながめたあと、年金制度の基本も整理しておきましょう。 厚生労働省年金局が公表する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金(※)の平均年金月額は以下の通りです。 ※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、記事内では民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。なお下記で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。 ●【全体・男女別】国民年金の平均受給月額 男女全体平均月額:5万6316円 ・男性平均月額:5万8798円 ・女性平均月額:5万4426円 ●【全体・男女別】厚生年金(国民年金を含む)の平均年金月額 男女全体平均月額:14万3973円 ・男性平均月額:16万3875円 ・女性平均月額:10万4878円 ●年金制度の基本 日本の公的年金制度は、「2階建て構造」と呼ばれる仕組みで運用されています。 ベース部分となる「国民年金(基礎年金)」は、国内に居住する20歳から60歳未満のすべての人が原則として加入対象です。 一方、2階部分にあたる「厚生年金」は、主に公務員や会社員、そして一定の条件を満たすパートタイム労働者やアルバイトが、国民年金に上乗せする形で加入します。 老後に受け取る年金は、国民年金のみの受給者と、厚生年金を上乗せして受給する人に分かれます。 厚生年金を受給できる人は、一般的に国民年金だけの場合よりも手厚い年金額を受け取る傾向があります。厚生年金額は、年金加入期間の長さやその間の給与・賞与(報酬)に応じて算出されるため、実際の受給額には大きな個人差が出ます。 このように、現役時代の働き方や収入の状況が、将来の年金受給額にダイレクトに影響するため、働き盛りのうちに自身の年金状況を把握しておくことが大切ですね。 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、これまでの年金加入記録や、現時点での将来の年金見込み額を確認することができます。 特に、厚生年金に長期間加入していたり、報酬が高かったりする人は、年金額がより手厚くなる可能性もあります。一方で、フリーランスや非正規雇用で働く人、転職までの空白期間が多い人などは、受け取る年金額が少なくなることもあり得るでしょう。 いまの働き方や収入が、将来の年金にどのように結びついていくかを意識していくことも大切です。老後資金のための貯蓄の計画を立てたり、より安定した雇用形態を目指したりと、長期的な視点でのライフプランを検討するきっかけになるかもしれません。