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最多登頂記録保持者の富士登山への思い 静岡・沼津市

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静岡朝日テレビ

 今年、富士山は史上初の夏山シーズンの閉山が決まりました。この決定に複雑な思いを持つ沼津市の登山家がいます。 登山家 實川欣伸さん: 「『今年は富士山に登れるかな』っていつも思うんですよね。でも今年は、残念ながら登山禁止になっているんですけど。今年は体調良かったんですよ。人生なんて皮肉なもんですね」  沼津市に住む登山家の實川欣伸さん(76)。定年後の65歳から本格的に富士登山を始め、これまでにおよそ2060回の登頂に成功している最多登頂記録の保持者です。目指すは「ふじさん」にかけて2230回の登頂です。 しかし今年、新型コロナの影響で富士山は史上初の夏山シーズンの閉山が決まりました。 川勝知事: 「富士山はこの夏は仰ぎ見る存在として楽しんでほしい」 富士登山が生きがいの實川さんにとってそれは悲しい決定でした。 登山家 實川欣伸さん: 「本当に山を趣味にしている人にはこんなストレスはないですよ。私の場合、富士登山は健康のバロメーターです。もうこの富士山に登れなくなったら、自分の人生は終わりだと思ってます」

週5日 往復3時間のトレーニング

 それでも実川さんは、週5日、自宅から徒歩で1時間かけて市内にある香貫山へ。標高193mの山を登って家に帰ってくる、往復3時間のトレーニングを続けています。数年前には、富士山を1日に4回以上、年間200回以上も登っていた実川さん。しかし、喜寿を目前に控えた現在、自身の体力低下に不安を感じています。 登山家 實川欣伸さん: 「ここ3~4年は、年間60回ぐらいしか登っていないんです。そうするとよく年間200回以上登ってたなって。健康を維持して、富士山2230回とエベレスト登頂をかなえたい。笑われたりしますけどね。いい年して何寝言を言ってるんだって。ふふふふ」  實川さんは富士登山の傍ら、2000年から世界7大陸最高峰の制覇にも挑んでいます。世界最高峰のエベレストを残すのみとなりましたが、雪崩などを理由に3度すべて断念しています。 人生の目標に身体がついていかなくなってしまうのではないか。實川さんは苦悩しながらも大好きな山に登ることで不安を打ち消そうとしています。 登山家 實川欣伸さん: 「完全に隠れちゃってるね」 天気が良ければ香貫山の山頂から富士山を望むことができますが、この日は残念ながら雲がかぶっていました。しかし、山の頂きに立った實川さんの心はどこか穏やかです。 登山家 實川欣伸さん: 「この川の流れと、緑と、青い空、これを見るのが健康にいいんです。心が癒されるというか。」 Q:「さきほどストレスがあると言っていたが?」 A:「いま心が全然違う。このさわやかな5月の風を受けて、それも爽快です。これで富士山見れれば言うことないですよ、へへ」