全国「超くねくね道路」5選 圧巻の69ヘアピン 崖っぷち 新設は絶対ムリ!
「日本一」を通る連続ヘアピン道路
中部地方にはほかにも、ヘアピンカーブの名所が存在します。
富士山スカイライン(静岡市富士宮市)
富士登山の拠点のひとつである富士宮口五合目まで続く静岡県道の通称です。高低差にして約700m、直線距離にして2kmほどのところを、約10kmかけて連続ヘアピンカーブで登っていきます。 なお、冬季通行止めおよびマイカー規制が行われており、マイカーが通行できるのは例年4月中旬から7月中旬、および9月中旬から11月中旬のみです。また2020年は富士山の開山が見送られたため、9月現在、富士山スカイラインも通行止めが継続しています。
田口峠(長野県佐久市)
佐久市と群馬県下仁田町を結ぶ県道93号にある峠です。峠全体を通して1.5車線の幅しかなく、峠の東側では斜面を這うようにヘアピンカーブが連続。上から見た道路のちぢれ具合は、まるで茹で上がる前のインスタント麺のようでもあります。 田口峠は信州と上州をつなぐルートとして古くから存在し、その記録は9世紀にさかのぼります。このほか、北側には碓氷峠や入山峠、内山峠といった国道の峠があり、特に国道18号旧道の碓氷峠は約200か所ものカーブが連続する難所となっています。 なお、田口峠の近くの山中には、「日本で海岸線から一番遠い地点」の標柱と案内板が設置されています(自動車やバイクで到達することはできません)。
連続ヘアピンカーブの王様は本州最北端に
最後に、連続するヘアピンカーブの数としてはおそらく日本最大となる道路を紹介します。
津軽岩木スカイライン(青森県弘前市)
1965(昭和40)年に青森県で初めて開通した有料道路です。弘前市の西北西に位置する単独峰、岩木山の八合目まで、ヘアピンカーブを駆使して一気に登って行きます。その数なんと、69か所。一般的な峠道とも異なり、まっすぐ頂上を目指して連続ヘアピンカーブの道路が尾根を駆け上がっていく様子は、航空写真などで見ると異様です。 なお、通行料金は普通車で往復1830円(2020年9月現在)。八合目から頂上までは、展望リフトおよび登山道が整備されています。
ヘアピンカーブはもう生まれない?
今回紹介した道路は、いずれも1970年(昭和45)に道路構造令が定められる以前に開通したものです。この法令で新規に作られる道路の曲線半径や勾配には基準が設けられ、現在、ヘアピンカーブのような急カーブが計画されることは通常ありません。山越えにはトンネルが採用され、どうしても急激な高低差に対応するためには、「ループ橋」が各地で設置されています。 なお、ヘアピンカーブや周辺の急勾配の山道を通行する際は、細心の注意を払い、無理のない運転に努めましょう。
乗りものニュース編集部