なぜ“K-1王者”武尊はRIZIN大晦日で那須川天心の前に現れ「来年実現させる」と対戦の意思表示をできたのか?
2020年12月31日・大晦日にさいたまスーパーアリーナで開催された総合格闘技イベント『RIZIN.26』。セミファイナルでは“神童”那須川天心(22、TARGET/Cygames)と“最強のムエタイ戦士”クマンドーイ・ペットジャルーンウィット(26、ペットジャルーンウィットジム)が対戦したが、試合が開始される直前にKー1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(29、K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が会場に姿を表しこの試合を見守った。 そもそもの天心vs武尊戦のスタートはRIZINが旗揚げされた5年前の2015年にまで遡る。当時のK-1で行われていた『K-1 WORLD GP~-65kg初代王座決定トーナメント~』において、“魔娑斗二世”HIROYAの弟でありKrush55kg級王者であった大雅と、Krush58kg級王者であった武尊の王者対決が実現。この試合で武尊が勝利し世間の注目を集めると、RISEバンタム級王者となった天心がK-1の会場に現れ「RIZIN大みそかで戦いましょう」とラブコール。これに榊原信行RIZIN実行委員長も「受け入れたい」と語ったが、結果的に天心の出場はなく、武尊は中国人ファイターヤン・ミンと大みそかに対戦した。 武尊は「K-1の世界チャンピオンは世界一強いと自負しているので必ず倒す。K-1で試合が組まれれば受けて立つ」と宣言していたが、その後天心は翌年にブシロードが旗揚げした格闘技イベント『KNOCK OUT』のプレ旗揚げ戦で衝撃のKO勝利を果たし世間の注目を集める。 ここでも当然天心vs武尊は熱望されるが、実現にはK-1に出場するための契約が立ちはだかることとなった。魔娑斗などが活躍していた『K-1』は谷川貞治氏が設立した『FEG』によって運営されていたが、現在はサイバーエージェントも出資している株式会社M-1スポーツメディアによって運営。現体制では選手との契約が他団体に出場できない“独占契約”となっており、昨年RIZINに出場を果たした皇治が「家買えるぐらいの違約金を払った」と言っていたのはこの契約を破棄するためのものだ。 サイバーエージェントグループのCygamesがKNOCK OUTと天心のスポンサーとなり出資元グループはK-1と同じにはなったが、2016年も両者の対戦実現には至らず、RIZIN2016大みそかでは29日&31日の両日に天心がMMAルールで出場。29日にニキータ・サプンと戦いTKO勝利した天心は、2日後の31日にカウイカ・オリージョからトライアングルチョークで一本勝ちし対世間として大ブレイク。このあたりから天心は武尊に関して「今はそこまで意識していません。やるならRISEでもK-1でもなくRIZINのような中立のリングで」と語り始めるが、RIZINが単発興行ではなく定期興行を打つ形になっている事と前述した選手との独占契約により交渉は難航。榊原委員長も先日の大みそか大会終了後に「K-1から損害賠償のカタチで訴えられた事もあるんです」と当時を振り返っている。 2017年にはフェザー級王者として武尊は確固たる人気を築き、ファンからも天心戦を望む声があがると高田延彦も一個人として「二人のスーパースター武尊VS天心は今しかない!こんなスーパーファイトをイタズラに時間を費やし大人の事情で見る側に絶望感を抱かせる大罪はあってはならぬと思う」とSNSで発言し期待が高まるが、実現には至らずに高田は「RIZIN統括本部長である私が、先日他団体であるK-1所属選手のマッチメークに関して軽率な発言を行ってしまいました。これによりK-1関係者の皆様と武尊選手にご迷惑をお掛けしたこと、またファンの皆さまに要らぬ期待感を煽ってしまったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。 武尊は同年9月の試合後に休養が発表され、天心はこの年の大みそかRIZINで行われた『RIZIN KICKワンナイトトーナメント』に出場すると浜本“キャット”雄大を真空飛び膝蹴りでKOし決勝進出。決勝も1分27秒で藤田大和から3ノックダウンを奪いKO勝利し、会場のファンから武尊戦への声が上がると「皆さんのこの歓声が答えだと思うんで、是非来年中にやりましょう!トーナメントでもワンマッチでも何でもいい。ファンが望むカードをやるのが格闘家。僕は格闘家として生きていくと決めたので、ファンに求められる試合をします」と宣言した。 榊原委員長も「武尊戦は長く言われすぎたので、たとえ実現したとしてももう今日と同じ熱量は作れないと思う。場所はK-1さんがやりたいというならK-1で問題ありません。こちら側の準備は整っているので、あとはK-1さん次第」とコメントしていたが、2018年での実現には至らず。
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