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ハイブリッドは人気なのに… トヨタも後押しするPHEVが日本で普及しない理由

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くるまのニュース

EVとHVの良いとこ取りだが「PHEV」が思ったより売れてない!?

 電気自動車(以下、EV)とハイブリッド車の良いとこ取りをした、プラグインハイブリッド車(以下、PHEV)は、最近では、欧州車が一気にラインナップを増やしたことで注目を集めていますが、日本ではPHEV市場全体が思ったほど伸びていない印象があります。 【画像】絶対プリウスよりカッコいい! 「プリウスPHV」はまるでスポーツカー(42枚)

 具体的な数字を見ると、2019年の日本国内のPHEVの販売台数は、トヨタ「プリウスPHV」が9569台で、プリウス全体の1割弱にとどまります。  次いで、三菱「アウトランダーPHEV」が5286台、BMW「225xe」が1623台、BMW「530e」が1221台と続きます(ev-sales.blogspot.com調べ)。    現行モデルのプリウスPHVは、『ハイブリットの次は、なんだ』というキャッチコピーで2017年2月に大々的に売り出されたトヨタの意欲作です。  新車発表会見では、初代プリウスの開発者だった内山田竹志会長が自ら登壇。トヨタのハイブリッド車累積販売台数1000万台超え達成に対してユーザーへの感謝を述べた後、長期的な環境戦略のなかで「エコカーは普及してこそ環境への貢献」とし、プリウスPHVを「普及の要」また「本流」と呼びました。  また、最近では豪雨災害などで家庭や企業への電力供給が途絶えた地域で、トヨタディーラー各社が連携してプリウスPHVによる給電サービスをおこなうなど、PHEVの有効性に注目が集まりました。  こうしたトヨタの強い推しがあるにもかかわらず、日本ではPHEVの普及がまだまだ進んでいないように感じます。それは一体なぜなのでしょうか。  理由を考えるうえで、PHEVの普及が日本より先に進んでいる欧州の状況を見てみましょう。  背景にあるのは、世界一厳しいといわれるCO2規制です。2015年に1kmあたり130gだったものが、2021年には95gまで一気に下げなければなりません。  規制をクリアするため、欧州自動車メーカー各社が採用しているのが、比較的低コストで導入できる48Vマイルドハイブリッド機構と、将来EVへとつながる技術を活用できるプラグインハイブリッド機構です。  欧州メーカーは、特許とコストの面からプリウスが採用するストロングハイブリッド機構を採用するケースはほとんどありません。  ただ、2019年にトヨタがハイブリッド車を含む電動化技術の特許を無償公開したことで、こうした状況に今後は変化が現れるかもしれません。  規制クリアという命題のもと、欧州各国は、EVやPHEVに対してさまざまなインセンティブを用意しています。  インセンティブとは、日本でも導入されている購入補助金や税制優遇のほか、公共駐車場の優先駐車や、混雑時の高速道路の渋滞時に複数人数乗車が義務付けられる専用レーンの走行許可などがあります。  なかでも普及への効果が高いのが、カンパニーカーに対する税制優遇です。カンパニーカーとは、欧米企業が年俸制給与制度のなかで、上級職の通勤用として企業が支給するクルマを指します。  たとえば、2010年代半ばのオランダでは、三菱「アウトラダーPHEV」をカンパニーカーで使用すると、各種の補助によってノーマルのアウトランダーより価格が安くなるため、販売が一気に伸びました。  その後、インセンティブの内容が変更されると販売は一気に減少。当時、オランダの三菱自動車関係者は「インセンティブ頼みではなく、PHEVが売れる時代はまだまだ遠い気がする」と漏らしていました。

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