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「無月経」に残る危ない知識 「私は赤ちゃんできたから」と選手に言った部の顧問

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THE ANSWER

連載「女性アスリートのカラダの学校」第6回―無月経の放置が体に及ぼす影響

 スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第6回は「無月経の放置が体に及ぼす影響」について。  ◇ ◇ ◇  数年前、北海道で学生の女性アスリートに向けて講演を行った時のことです。終了後、陸上競技をしている一人の大学生に声を掛けられました。 「高校生の時、生理がなかった」という彼女は、当時、高校の陸上部の顧問に相談。すると「大丈夫でしょ。私も生理なかったけれど、ちゃんと赤ちゃんできたから」と一蹴されたそうです。今は生理が来ているそうですが、「先生の一言で高校時代は何も対策をとらなかった」と話していました。  女性アスリートの場合、一般女性に比べて無月経の割合が高い上、「生理なんてない方がラク」と考える選手もいます。しかし、選手を監督する立場であり、女性である指導者にも、いまだにこのように考える人はいるのだと知り、とてもショックを受けました。  当然のことですが健康でなければ、「強いアスリート」にはなれません。しかし、無月経であることは「健康な状態」ではない。ですから競技力向上という面でも、無月経の影響は軽視できないのです。

 実際、無月経の選手はトレーニング効果が出にくいという研究があります。  カナダの研究グループは15~17歳の国際レベルの水泳選手に対して、12週間の合宿トレーニング前後に様々な測定を行いました。その結果、合宿後のパフォーマンス(泳速度)は、正常な月経のある選手は向上し、月経異常のある選手は低下しました(正常に月経のある選手の群は8.2%向上。月経異常のある選手の群は9.2%低下)。トレーニングボリュームに比例して高まるはずの心肺機能や筋力が伸びない背景には、慢性的なエネルギー不足があるのではないか、と考えられています。

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