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賃貸マンション「カビだらけ退去」…ヤバい借主に対する大家の苦悩

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現代ビジネス

強烈なカビ臭とペット臭…

 もしかすると、私たちの周囲には、カビとペット臭に包まれた家で生活している人がいるかもしれない――。 【写真】閲覧注意…70代男性は2000本のペットボトルに囲まれて息絶えた  それが自分にとって、身近な人、たとえば友人であったり、職場の同僚であったりすると思えば、空恐ろしくなる。  西日本最大の港町・神戸、その郊外、須磨区の住宅地にある月額家賃・5万3千円で賃貸に出されていたマンションの4LDKの一室。そのドアを開けると、同時に、鼻をつんざくようなカビ臭とペット臭が体中に纏わりつく。  部屋を見れば、壁のクロスは黒カビとペットによるものと思われる糞尿の痕があちこちにある。天井はうっすら緑のカビが生えていたことが窺える。拭き取りはしたのだろう。だが、それでも、カビがびっしり生えていたことは、誰の目にも明らかだった。  わずか10分の滞在でも、鼻の奥にカビ臭とペット臭がこびりつき、熱い風呂に入って、ようやくこれが取れた。とても、つい数日前まで、人が住んでいた家とは思えない。  「まさか、あそこに勤めている方だと聞いていたので……。フルリフォームして賃貸に出して、わずか7年で、ここまでボロボロにして出て行くなんて思いもしませんでしたよ」  この家の物件所有者、すなわち大家さんは、憤懣やるかたないといった様子でこう憤る。そもそも、このマンションは規約上、ペット飼育は禁止されている。にもかかわらず借主は、その規約を無視、犬と猫を飼っていたことを、あっさり認めた。そして平然とこう言い放ったという。「他にも飼っている人はいますよ――」。  「この神戸なら、あそこにお勤めだというだけで、もうきちんとされていらっしゃる方と思いますよ。そういう信用や信頼が完全に裏切られた気持ちです」

あるエリートの生活実態

 この大家さんが、「あそこ」と呼ぶのは、とある“神戸の著名企業”だ。ここに勤めているという借主は、その名前をインターネットで検索すれば、ある技術に関する数多の論文の執筆者や講師としてヒットする。また、その著名企業の“精鋭”として自社のHP内にも紹介されている。現在は、一般的な企業の役職では「課長級」に相当する役職を持つ。大変なエリートである。  もっとも、ブランドやステータスのある企業に勤めているからといって、その人物がプライベートで、すべてにおいて品行方正かといえば、必ずしも、そんなことはない。  それは、この大家さんもわかっている。だが、それでも、あの「神戸を代表する大企業」に勤めている人だからこそ、禁止されているペットを勝手に飼ったり、結露によるカビ発生を報告せず、退去時に、「さらっと」(大家さん)話しただけで、何事もなかったようにやり過ごそうとする態度が許せなかった。  「度々、家賃も滞るので、それを咎めると、誇らしげに、『海外に出張でしたので』と言う。延滞利息を支払う素振りすらみせてくれませんでした」  退去時、初めて、カビ発生の事実を知ったという大家さんは、その後、ハウスクリーニングや工務店などの専門業者に修繕費用の見積もりを取った。カビが発生する家に次の居住者を住ませる訳にはいかない。大家という職責上、次の入居者の命を守る義務がある。  その修繕には、かなりの高額になることは予測がついた。もちろん、全額、元の居住者に負担を強いるつもりはない。しかし、「これだけの金額がかかります」ということを知らせたかった。  専門業者らによると、換気をほとんどせず、そのうえで石油ファンヒータを使い、ペットの糞尿をそのまま放置したり、雨の日に窓を開けっぱなしにしたことによるフローリングの損傷が著しい。加えてカビは天井の裏にまで廻ってしまっている。  なので、スケルトンといって、一度、天井、壁、床を剥がし、防カビ施工を施す必要がある。その費用は、もっとも良心的な業者で200万円だった。

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