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それさえ食べれば、は間違い? 「乳酸菌」には免疫力アップが期待できるか

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ハーパーズ バザー・オンライン

新型コロナウイルス対策として、「免疫力を高める」として今なお品薄状態のヨーグルトや納豆。それさえ食べれば免疫力アップ、という単純なものではないことを、もう一度おさらいしておこう。 【写真】絶対に従ってはいけない、根拠のない健康アドバイス35

“自然免疫”と“獲得免疫”

 世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染。ちまたでは相変わらず「免疫力を上げる」食品などが品切れになったりしているが、根拠はあるのだろうか? 「“自然免疫”をいい状態に保つことは必要だと思います」と言うのは、順天堂大学大学院医学研究科の竹田和由准教授。免疫には“自然免疫”と“獲得免疫”の2種類があり、それぞれの働きは異なる。 「体内にウイルスなどの異物が入った時に最前線で闘うのが“自然免疫”。でも強い敵には弱く、働きとしてはそこそこ。一方、ウイルスなどの異物と出合うことで初めて作用し始めるのが“獲得免疫”。感染症に一度かかると感染しなくなったり、ワクチンによる防御がこの獲得免疫にあたります。今回の新型コロナウイルスはまだワクチンがないため、この獲得免疫を持つことができません。誰も出会ったことのない敵なので、すべての人が感染すると考えていいでしょう」

自然免疫をいい状態に保つことが大切

 だが獲得免疫ほど強くないとはいえ、自然免疫が弱くなってしまうと感染リスクは高まる。強くしておけば感染症にかかっても重症にならなかったり、早く治ると考えられるため、自然免疫をよい状態にしておくことは重要、と竹田先生は説明する。 「免疫バランスを崩す一番の原因は生活サイクルの変化です。在宅勤務などで従来のリズムが崩れるといった変化に自然免疫は弱い。在宅勤務でも起床、就寝時間などは一定に保つといいでしょう。また、この時期にダイエットしようと思う女性も多いようですが、過度な食事制限も自然免疫の活性を悪くします。運動も何kmも走るなどは逆に自然免疫のNK(ナチュラルキラー)細胞を低下させます。息が上がりきらない程度のウォーキングレベルがおすすめです」

腸内環境と免疫の関係

 さらに腸内環境をよくすることも大事、と竹田先生は続ける。「腸内環境と免疫との関係はここ数年でいろいろと解明されています。以前はビフィズス菌などの菌が腸内で直接働くと考えられていましたが、外から摂取した菌自体は腸内では定着しません。ただし、発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを摂取することで、腸内で“短鎖脂肪酸”が生成され、吸収されます。この短鎖脂肪酸は腸内の環境を整え、免疫にも作用することがわかってきています。特定銘柄のヨーグルトというのではなく、さまざまな種類の発酵食品や食物繊維をバランスよく摂ることは悪くないと思いますね」 ※日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省やWHOのサイトをご確認ください。

Text: Manabi Ito From Harper's BAZAAR June 2020

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