ルノー、2022年に向け”メルセデス型”PUコンセプトの投入を検討中
ルノーは新開発のパワーユニット(PU)の投入を2022年に先送りしたが、この新型PUにメルセデス同様のコンセプトを採用することについて検討が進められているという。 【2021年F1新車】アルピーヌA521:フォトギャラリー アルピーヌは、2021年用マシンA521を3月2日に発表した。ただチームの名称はアルピーヌに変わったが、パワーユニットの名称はルノーのままであり、”ルノーE-Tech 20B”がA521には搭載されている。 ルノーは当初、2021年に新型のPUを投入することを予定していた。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響により、この導入を2022年まで延期することを決めている。つまりE-Tech 20B”は、昨年型のアップデート版に留まっている。 ただ新型の投入時期が先送りされたことにより、より大きな変更を行なうための時間的な猶予が生じた。ルノーはこの期間を活用し、様々なアイデアを検討しているという。 検討中のアイデアのひとつは、メルセデスが一番最初に採用した、ターボの構成要素を分割して配置するレイアウトだ。 現在のV6ターボエンジン+ハイブリッドシステムの”パワーユニット”時代が到来して以来、メルセデスはターボのタービン部分とコンプレッサーを、PUの前後に分割して搭載。そしてエンジンのVバンクの間にシャフトを通して、タービンとコンプレッサーを繋いでいる。 このパッケージングは優れていると言われていて、重量配分と空力の両面で利点があると言われる。 このコンセプトは、2017年にはホンダも踏襲。そしてフェラーリも、2022年に向け同様のコンセプトを検討していると言われる。
テストベンチで分割式のターボを実験?
そしてルノーも、このアイデアを検討していることを明らかにした。フェルナンド・アロンソが先日、フランスのヴィリー-シャティヨンにあるルノーのPU開発施設を訪れた際の画像でも、テストベンチで分割式のターボをすでに試していることが示唆されている。 アロンソがテストベンチを見学している際の写真に映り込んだ配管を見ると、空気がエンジンの前方ではなく、後方に向かって送り込まれているように見えるのだ。 ルノーのエンジン部門の責任者であるレミ・タファンは水曜日、motorsport.comの取材に対して「簡単に言えばイエスだ」と、その新コンセプトも検討されていることを認めた。 「我々もその方向性を辿る可能性がある。写真をご覧になったと思うので、嘘をつくつもりはない。現在評価中だ」 また一方で今季のPUについてタファンは、新型コロナの感染拡大に伴い昨シーズン中の開発が凍結される前、シーズン前半に計画されていた変更が投じられていると語り、さらに次のように続けた。 「昨年のシーズン中盤に予定していた変更を、今季のマシンに実装した。だから冬の間の進化というよりも、シーズン中の進化とでも言うべきモノだ」
Jonathan Noble