STARTO社「チケットの悪質転売ヤー」の"身元判明"を発表、転売サイトが開示請求に応じる
コンサートや舞台の悪質なチケット転売が社会問題となる中、タレントが出演するコンサートなどのチケットを転売目的で出品する投稿者について、転売サイト運営会社に開示請求を申し立てた「STARTO ENTERTAINMENT」(東京都港区)は12月9日、いわゆる「転売ヤー」の身元が判明したと明らかにした。同社によると、転売サイトへの開示を求める裁判手続きの結果、投稿者の情報が開示されたのは初めてだという。 【2枚で100万円】実際の高額転売
●開示請求受けた転売サイト、任意の請求には「拒否」→一転して開示に同意
同社は12月9日にプレスリリースを発表。 旧ジャニーズ事務所のタレントが所属するSTARTO社は今年8月から、コンサート主催会社とともに、タレントのコンサートや舞台のチケットを高額転売目的で出品する投稿について複数の転売サイトに対して、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示の仮処分を申し立てていた(申立人は主催会社)。 そのサイトの一つ「チケット流通センター」は、任意の開示請求を受けた段階では拒否していたが、発信者情報開示を求める仮処分の申立て(10月18日・東京地裁)を受けて、開示の意向を示したという。開示は11月12日付。STARTO社によれば、転売サイトへの開示請求の結果、投稿者の情報が開示されたのは初めてだという。 同社は、身元が明らかになった投稿者に対して、不正転売行為に対する責任追及を進める方針だ。 特定された投稿者は、『SnowMan』のコンサートチケット(定価1枚9700円)を連番で2枚100万円分転売していたという。 開示に応じたサイト運営会社(東京都千代田区)は、弁護士ドットコムニュースの取材に答えなかった。
●別のサイトにはSnowManの転売出品「全1224件開示請求」も
また、STARTO社は「チケットジャム」の運営会社(東京都渋谷区)に対して、10月28日付で、『SnowMan』のコンサートチケットを転売出品している全件(1224件)について、発信者情報開示の仮処分を申し立てたことも発表した。 STARTO社はこの運営会社に対して、このような転売サイトを通じたチケットの出品・売買によって、主催会社側に不正転売への対応業務が発生していることや、入場資格のない人物を入場させようとする行為が業務妨害および権利侵害にあたると説明した。 そうしたところ、相手方から「不正転売への対応業務を行うのは当然必要な行為であり、 一般的な不正転売への対応業務の発生により直ちに営業権の侵害があるとはいえない」として任意開示は拒否されたという。