#緊急避妊薬を薬局で! アフターピルについて知っておきたいこと
性暴力を受けたり、避妊に失敗した際に、性交後に飲んで妊娠の確率を下げることができるアフターピル(緊急避妊薬)。世界では薬局で無料または安価に手に入る薬なのに、日本ではなぜこんなにも入手のハードルが高くなっているの? 72時間以内にできるだけ早く飲む必要があるなか、処方箋なしでの薬局販売などアクセスの改善を求めて、多くの女性から声が上がる同薬。「緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」の共同代表でNPOピルコン理事長の染矢明日香さんに、日本のピルの今とこれからを教えてもらった。
【今回お話を伺った識者】 染矢明日香さん/NPO法人ピルコン理事長。大学在学中に2007年、学生団体ピルコンを立ち上げ、性の健康の啓発活動を始める。その後民間企業でのマーケティング職を経て2013年NPO法人ピルコン設立。中学、高校、大学などで200回以上、3万人以上に向けて性教育講演を実施するほか、イベントや啓発資材の企画、制作、アドバイスなどに携わる。著書に『マンガでわかるオトコの子の「性」』。Twitter: @asukasuca
【疑問1】そもそもアフターピルってどんな薬なの?
アフターピルとは「緊急避妊薬」のことであり、性交後に服用することで高い確率で妊娠を防ぐ薬。女性ホルモンが含まれていて、排卵を遅らせる作用などによって妊娠を防ぐ効果が期待でき、避妊に失敗したときやレイプなど望まない性行為を経験したときに服用します。妊娠阻止率(妊娠可能性が高い時期に妊娠を防ぐ確率)は性交から、24時間以内で95%、25時間~48時間以内で85%、49~72時間以内で58%であり、早く服用するほど効果的。実際の妊娠率は、72時間以内に服用した場合1.34%です。
【疑問2】どうやったら手に入るの?
婦人科や産婦人科(および一部の内科等)で受診して処方されるのが主な入手方法。婦人科・産婦人科でもアフターピルを取り扱っていない病院もあるので、受診予約時に問い合わせるか厚生労働省のリストを参考に。また近年、オンライン診療も可能になったので、対面受診に抵抗がある方や受診の待ち時間で効能が低下するのが不安なら是非チェックを。2020年4月から、新型コロナウイルス感染症による期間限定の対応としてオンライン診療を受けた医療機関から薬局にFAX等で処方箋を送付して近くの薬局で受け取りか、病院から緊急避妊薬を宅配してもらうことも可能に。宅配の場合、受け取って服用するまで時間がかかることをお忘れなく。