大谷満理奈:STU48連載企画~こんな時代こそ、アイドルが必要だ。~
STU48が2月17日に6thシングル「独り言で語るくらいなら」を発売する。穏やかな大海原を爽やかな風を帆に受け、ゆっくりと進んできた彼女たち。更なる活躍が期待される今年は日本武道館公演も実現させ、いよいよ彼女たちが先頭を切る大航海時代の幕開けを感じさせる。その最初のシングルで示すのはこれまでの雰囲気とは異なる楽曲だ。選抜メンバー16人はどのような思いで臨んだのか。16人全員のインタビューを16日間連載する。 ◆大谷満理奈 「不思議キャラと言われることが多くて、なんか独特です」と笑う。グループでどういう立ち位置かと聞けば「それはさておき、ありちゃん(峯吉愛梨沙)が一番好きです。癒されます」とはぐらかす。 昨年4月、髪をバッサリ切った。「切りたい思いが強すぎて自分で切っちゃいました!」。思い切ったセルフカットだった。「コロナ禍で何か変わりたいと悩んだ結果、ああいう形になりました。変なところで思い切りがいいんです。後悔はないです」とほほ笑む。 自分では「不思議キャラ」とは思っていない。「『せとチャレ!STU48』でMCを務めた時、ニッチェさんの近藤さんに『変わっているね』と言われてそうなのかなって。私自身は変なキャラに思われたくなくて(笑)」 取材中ずっと笑顔だ。明るい雰囲気があるが、それには理由がある。 「私、STU48のなかで一番変わったと思うんです」 「まず首の位置が変わりました。ずっと下を向いていたけど前を向けるようになって。実はもともと自信がなかったんです。だけど前よりかはついてきて。2年前の『暗闇』の頃、ふと選抜に入りたい、頑張ろうと思うようになり、そこから見た目も気にするようになりました」 なかでも前髪はポイントだという。 「前髪は命です!大事です!印象は変わります!これまでは前髪の先端は直角に曲げていたんですけど、今は滑らかなカーブになっています!」 表現は“独特”だが、自信をつけるために磨き続けてきた5年だったことが分かる。表情に表れない思考の痕跡が見える。 これまでの活動で印象に残っているのはAKB48「LOVE TRIP」のパフォーマンス。STU48チャリティーコンサートツアーで初めてセンターに立った。 「真ん中だから全体が見えて一層楽しめました。プレッシャーですか?それはないです。でも…私ネガティブで…。センターだと曲の雰囲気を変えることもできるけど、後ろだと周りに『もっと踊れるんじゃないの?』と思われていないか評価が気になっちゃう。センターならたとえ間違っても雰囲気が違ってもその人のカラーになるので、評価は気にならないんです」 確かにセンターが変われば楽曲の色は変わる。そのセンターを軸に世界観を広げられる。 そんな彼女の今年の目標は「楽しむ」こと。それはなぜか。 「自分が心から楽しいなと思うとファンの方も楽しんでいる様子でした。それを知った時に作り笑いではなく心から楽しまないとファンのかたも楽しんでくれないんだと思って。アイドルというのは誰でもなれるものではないですし、STU48の1期生は8000人の中から選ばれた人たちで、恵まれている環境。だから楽しまないとだめだなと。根はネガティブだけど、楽しみたいですし楽しめるようになってきています」 周囲の声が気になってしまうとも明かした大谷。それを克服するために「自信をつける」ことも一つの手段といえる。“前髪”への意識はそうした自信に繋げる自分磨きの表れだ。そして、自信が付けばおのずと楽しめるようになる。となれば、大谷が語った「楽しめるようになってきています」という言葉に、そうした変化が見える。彼女は成長し続けている。