90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
最高速100mphを超える、「オートバイのロールスロイス」
2024年11月に英国ロンドンで開催されたRMサザビーズのオークションに、1936年製のブラフ・スーペリア SS100というオートバイが出品されました。どんなオートバイなのでしょうか。 【画像】1936年製なのにピッカピカ! 極上の「戦前バイク」を写真で見る(25枚)
ブラフ・シューペリアは1919年にバイクエンジニアのジョージ・ブラフによって設立されたメーカーで、品質と性能の高さから、当時は世界最高峰のモーターサイクルと謳われていました。 またブラフ・シューペリアは、映画「アラビアのロレンス」のモデルとなった、トーマス・エドワード・ロレンス氏の愛用バイクとしても有名ですが、いまではかなりのオートバイマニアにしかその名前は知られていないようです。 ここで紹介するSS100 マチレス(MX100)は、1935年末に初めて一般公開されました。 これは、1924年から生産されていたブラフ・シューペリア社のフラッグシップモデル「SS100」の最終シリーズとなりました。 SS100は、その卓越したデザインと品質の高さによって継続的な成功をおさめ、顧客からもメディアからも高い評価を得て、「オートバイのロールスロイス」と称されました。 一方、初期のJ.A.プレストウイッチ(JAP)製のVツインエンジンはコンペティションイベントで成功をおさめ、何回も速度記録を樹立しました。 新型のMX100は、マチレス社がブラフ スーペリア社のために特別に生産した、986ccのVツイン BS/X2エンジンの50度OHVバージョンを搭載しました。 以前のSS100モデルと同様に、同社の創設者であるジョージ・ブラフは、すべてのマシンがブルックランズ サーキットを時速100マイルでラップできることを保証しました。 このオートバイは、1936年から1940年にかけて、合計102台が製造されました。 今回出品された個体は、1936年5月に製造されたもので、ノッティンガムにあるヘイドンロード工場で製造された3台目のオートバイであると考えられています。 ファクトリー ビルド レコードのコピーによると、このオートバイは1936年5月9日に旅客列車で輸送され、「AUP237」という登録が与えられ、現在に至っています。 オリジナルの「buff」ログブックには、1946年4月15日にクロイドンに住むジョン・シリル・バトル氏が次の所有者になったことが記されています。 そして18カ月後の1947年9月8日に、ペンゲに住むヘンリー・アルフレッド・トンプソン氏に売却されました。 驚くべきことに、このSS100はその後63年間、トンプソン家に残されていました。トンプソン一家はこのブランドに対する強い情熱を持っており、SS80やオースチン7由来のエンジンを搭載した極めて珍しい4気筒モデルなど、他にも数多くのブラフ・シューペリア社製のオートバイを所有していました。 1960年11月5日、トンプソン氏はこのSS100をバークシャー州ブロードレーンにある、その名も「ザ・ブラフ」の息子、フィリップ・ロナルド・トンプソン氏に贈りました。 1958年に結成されたブラフ スーペリア クラブの最初のメンバーの一人であった父と息子は、このSS100とその長期にわたる所有権が、常にこの愛好家クラブに知られていたことを意味します。 2010年、このSS100はトンプソン家によって、サセックスに住む著名なコレクターであるピーター・ランカスター氏に売却されました。その後、このSS100は2018年に売却され、別の有名なブラフ・シューペリア コレクションに加わりました。 この1936年製 ブラフ スーペリア SS100の希望価格は24万ポンド(1ポンド=198円として、4752万円)が提示されていますが、まだ落札されていません。
VAGUE編集部