Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

ネッシーに巨人の骸骨……ミステリーの捏造史

配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

「ネッシー」や「ミステリーサークル」と聞いて、どこか懐かしさをおぼえる方は少なくないだろう。20世紀の後半には、日本でもオカルトブームが起こり、UFOや超能力、心霊写真など、未知の生物や不可解な現象を取り上げるテレビ番組や書籍が世間を賑わしていた。しかし残念ながら、その多くは科学の力で説明できたり、捏造であったりするのが実情だ。 ギャラリー:巨人実在の噂は画像処理ソフトだった?  ご存じの通り、ネッシーはスコットランド最大の淡水湖、ネス湖に棲むと言われる巨大な怪物の通称だ。数ある怪物伝説の中で真っ先に名前が挙がるものだろう。最初の目撃はなんと1400年ほど前にさかのぼる。565年、アイルランドの伝道師、聖コルンバがこの地方で不思議な水棲獣と遭遇したという記録が最初の例と言われている。再び光が当たるのはずっと下って1933年のこと。当時、新しい道路が開通し、インバネス市にほど近い高地の真ん中にひっそりと佇むネス湖へのルートが開けたのだ。北岸に沿って延びる道からネス湖を見渡すことができ、怪物を目撃するチャンスが増えた。  伝説に冷水を浴びせたのは古生物学者で画家のニール・クラークだ。彼はネス湖の怪物は犬かきで泳ぐ象ではないかと唱えている。なぜ象がスコットランドの冷たい湖で泳いだりするのか不思議に思う人も多いだろう。しかし、クラークによれば、象を使うサーカス団がネス湖沿いの道をよく移動していたという。湖にさしかかると休憩して、動物を泳がせることもあったのではないか。1933年、この地方のサーカスの興行主はネッシー捕獲に2万ポンド(今なら100万米ドル以上に相当)という高額の賞金をかけたが、実はネッシーの正体がサーカスの動物だと知っていたのかもしれない。  ネッシー伝説はニセモノをいくつも生み出した。ロバート・ウィルソンが1934年に撮った最も有名な写真でさえ、模型を使った作り物であることが確認されている。  2003年になって、科学者たちがネス湖近くで本物の海のモンスターの化石を発見したと報じられた。太古の水生爬虫類プレシオサウルスだ。しかしその化石もまた、巧妙ないたずらだったことが判明した。この化石は、ネス湖にはないはずのジュラ紀の石灰岩に覆われていて、海の生物によると思われる穴が開いていた。淡水湖には見られない特徴だ。  このほか、岸辺に巨大アナゴを放流して、小型の怪物と誤認されることを狙った捏造例もある。

【関連記事】