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“全員が原作者“の「モクリプロジェクト」が新作短篇アニメを公開! 日中間で新型コロナの影響を最小限に留めた制作体制とは

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CGWORLD.jp

VR法人HIKKYとRoot Studioが4月26日(日)に公開した3DCGアニメ『モクリ』は、異例の体制で制作、公開されたショートフィルムだ。この映像作品は、VRのアバターとして使用できる3Dモデルの無償配布から始まった「モクリプロジェクト」に端を発する。ファンも含めた“関わった全員が原作者“という考えの下、共鳴するVRファンを巻き込むかたちで今もなお拡大中のプロジェクトだ。今回のショートフィルムも、「モクリプロジェクト」の展開のひとつとなっている。 つまり、本作はVRカルチャーから発信された3DCGアニメと言える。VRならではのポイントとして、3DCGアニメ内で“エキストラ“を採用したこと、また様々な技術者が参加できるように制作体制を整えたことで、新型コロナの影響をほとんど受けずに進行できたことがある。今回、ショートアニメ制作のスタッフをはじめとした「モクリプロジェクト」の主要メンバーに話を聞くことができた。

ショートアニメも「モクリ」世界の側面のひとつ

本題に入る前に、そもそも「モクリプロジェクト」とは何かを改めて紹介する。ごく簡単に言うなら、VR上の自分の分身となるアバターをより自由に楽しむためのプロジェクトだ。 プロジェクトの最初の展開は、二次創作を前提とした3Dモデル「レッサーモクリ」の無料配布。ユーザーが自由に改変できる利用規約となっており、色の変更からアクセサリーの追加まで、まさに思いのままに楽しめる。 「モクリプロジェクト」が非常に特徴的なのは、キャラクター原案を『メイドインアビス』などで知られるつくしあきひと氏が務めていること。フラットなデザインではなく、「けもの好き」をねらい撃ちするかのようなつくし氏の個性がたっぷり反映されたデザインとなっている。 この方針は、本プロジェクトの原案/企画制作者であるVR法人HIKKYのアートディレクター、さわえみか氏がこだわったもの。「刺さる人には深く刺さる」デザインにすることで、触発されたVRファンによるコミュニティは徐々に広がりを見せている。 そして今回のショートフィルムは、「モクリプロジェクト」の世界観をさらに押し広げるためのものだ。4分弱の映像内では、主人公の「モクリ」がどこかへ旅立つ様子が描かれている。はっきりとしたストーリーが描かれているというよりは、「モクリ」がどんな世界に暮らし、どんな生活を送っているかのほんの一端が切り取られているという内容だ。 これは、アバターと同じく、映像作品を基に観た人が自由に想像を膨らませて作品を生み出せるような幅をもたせるねらいもあるが、ショートアニメの制作そのものが二次創作的な意味合いを強くもつことも大きく影響している。 統括プロデューサーの福原慶匡氏いわく、「モクリプロジェクト」は「関わった人が全員原作者になるコンテンツ」という。つくし氏が描いたイラストや3Dモデルがベースにはあるものの、そこから先は何が決まっているわけではない。 制作には第一線で活躍するプロが多く関わっているが、それぞれが自分の役割をこなすというよりは、「役割を超え、意見を出し合いながらひとつのものをつくっていく感覚」(福原氏)に近い。そのため、監督の久保田雄大氏も「自主制作のような雰囲気があった」と感じたそう。 「モクリ」にまつわる世界をイチからつくる点では、アマチュアもプロも全員が同じ立場なわけだ。手探りであるがゆえに、関わる人みんながクリエイティビティを発揮でき、完成の喜びもリアルタイムに味わえる。これが「モクリプロジェクト」の面白さであり、また魅力であると福原氏は話した。

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