実写を超えた〝超実写版〟アニメ映画「ライオン・キング ムファサ」日米同時公開 日本語吹替版ではミキの亜生と佐藤二朗
【大人のエンタメ】 「ライオン・キング」(2019年)の〝はじまり〟を描く「ライオン・キング ムファサ」が20日、日米同時公開される。「現時点で世界一ヒットしているアニメ映画は何か?」と聞かれたらどんな作品を思い浮かべるだろうか。答えは、今年公開されたディズニーの「インサイド・ヘッド2」だが、実はそれまでは前作「ライオン・キング」だったのだ。 【写真】渡辺謙、「ライオン・キング:ムファサ」でディズニー作品初参加「久々にオーディションを受けた」 ただし、本作をアニメ映画として認識できない人も少なからずいるだろう。動物だけでなく、背景も本物と見分けがつかないほど緻密に表現し尽くされているからだ。 その結果、実写にしか見えないような究極的なアニメ映画が誕生したのだ。象徴的な話は、前作で監督が実写の写真を本編で数カットだけ使ったが、誰も見分けられない超難問となったこと。 一方で、動物などのキャラクターはアニメによって表情なども見極められる。そのため、「実写を超えた実写のような映画」ということで「超実写版」という新たなネーミングが付けられた本シリーズ。 「ライオン・キング」といえば、主人公の「シンバ」という子供のライオンが有名だが、タイトルにある「ムファサ」とは、シンバの父親ライオンの名前だ。そして、本作では、そのムファサの子供の頃からの物語が明かされる。 本作を見終えると、前作の登場人物の背景がしっかりわかり、ムファサらの見方が変わり、より「ライオン・キング」の物語を深く堪能できるのだ。 前作の内容を忘れている人もいるだろうが、結果的には問題ない。というのも、本作はシンバの子供が留守番する際に、その子供に語られる昔話という構成になっているからだ。つまり、子供でも理解できるくらいに物語がかみ砕かれているので、それこそ一見さんでも理解できるのだ。 しかも、ムードメーカーの「ティモン」と「プンバァ」も子供と一緒に話を聞いているので、集中力が途切れにくいように合いの手がうまく入る構成もよくできている。 日本語吹替版ではティモンとプンバァの声は、それぞれ漫才コンビ、ミキの亜生と佐藤二朗が担当しているので楽しい雰囲気を構築できているのは言うまでもない。 (細野真宏)