「紀州のドン・ファン」死亡で元妻に無罪判決 親族は「もやもやが残っている」
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)が急死した事件で、殺人などの罪に問われていた元妻の須藤早貴被告(28)に対し12月12日、和歌山地裁は無罪判決を言い渡した。 【写真】「紀州のドン・ファン」元妻と共演した話題のセクシー男優はこちら 「警察が十分に捜査を尽くして事件となったと聞かされていた。何らかの形で有罪判決やろうなと思っていたが、無罪とニュースで聞いてびっくり仰天した」 と、判決後に語ったのは野崎さんの親族だ。 ■何度も涙をぬぐった須藤被告 判決は12日午後、裁判官と裁判員がそろうと、言い渡された。 「主文、被告人は無罪」 という声が法廷に響く。須藤被告は、その瞬間、目頭を押さえた。そして、着けていたマスクをはずし、顔を紅潮させ、涙を手で何度もぬぐった。 検察が無期懲役を求めていたこの事件。争点は、野崎さんが殺害されたのかどうかという「事件性」と、殺害されたのなら須藤被告の犯行かどうかという「犯人性」だった。 検察側は、状況証拠を並べて、須藤被告が殺害したと立証しようとした。 野崎さんが亡くなった2018年5月24日の1カ月半ほど前に、須藤被告がインターネットを通じて、覚せい剤を注文し、覚せい剤様のものを受け取っていたこと。亡くなった当日、須藤被告が死亡時刻の直前に、野崎さんがいる自宅2階に少なくとも8回上り下りを繰り返す、普段にはない不自然な行動をとっており、その記録がスマートフォンのヘルスケアアプリに残されていたこと。須藤被告が「完全犯罪」「老人、死亡」「覚醒剤過剰摂取」などのインターネット検索をしていたこと。野崎さんから支給される金がないと生活費に困る状況にあった須藤被告には、野崎さんから「離婚届」を渡され、離婚を前に多額の遺産を受け取るという動機があったこと、などだ。 須藤被告も被告人質問で 「月100万円のお手当があるから結婚をした」 「多額の財産があることはわかっていた」 と結婚が金銭目的であることは明かしていた。 また、野崎さんが男性的に不能だったと証言し、 「覚せい剤は野崎さんに性的関係を回復したいと命じられて購入した」 「覚せい剤を渡したあと『あれは使いもんにならん』と叱られた」 と覚せい剤を買ったことを認めたが、殺害については否定していた。