<フィギュアスケート>現地メディアに“無視された”羽生結弦の好演技
■現地メディアは地元のプルシェンコ一色 羽生結弦の写真や名前が、現地メディアに出てこない。ソチ五輪から新競技に採用されたフィギュアスケートの団体競技から、一夜明けた7日、ソチ五輪メインプレスセンターで購入できるロシアの地元紙には、羽生の写真は、まったく載っていなかった。ロシア語はローマ字とは違うキリル文字が使われているため、記事を探すのは困難だが、プレスセンターのボランティアにざっと目を通してもらっても「日本選手の記事は見当たらない」というではないか。 確かに、スポーツ面のみならず社会面を見ても、同じく団体SPの出場した3大会連続メダリストの地元ロシアのフィギュアスケート界の大スター、エフゲニー・プルシェンコや、プーチン大統領、あるいはトーチリレーに参加した市民の写真(と記事)ばかりだ。 テレビニュースに目を写すと、こちらでは「プルシェンコとプーチン」という二大巨頭の映像を使って開会式を待ち望む特集が繰り返し放送された。また、純粋にフィギュアスケートに焦点を当てた特集でも羽生の姿は見当たらず、「プルシェンコ対チャンによる男子シングルの前哨戦で、我らが皇帝が勝利した」というトーンの報道だ。プルシェンコが、演技冒頭で見せた4回転―3回転のコンビネーションジャンプは、それこそ何度も何度もリピート映像が流れていた。 ■ロシアでは無名の羽生 知名度は高橋、浅田が上 ロシアの地元記者に話を聞いてみると、「ロシア国民の中で、羽生はまだあまり知られていない。浅田や高橋はロシアでも人気があるが、羽生は知名度がまだ高くない」という。 なるほど、トリノ五輪で金メダル、ソルトレークシティー五輪とバンクーバー五輪で銀メダルを獲得し、4度目の五輪を地元で迎えるプルシェンコや、2011年から昨年まで世界選手権3連覇中のチャンと比べれば、羽生が実績と知名度で及ばないのは劣るのは致し方のないことだろう。