モンテ渡辺監督、会見し今季総括
サッカーJ2・モンテディオ山形の渡辺晋監督が10日、天童市のクラブハウスで今季を総括する会見を開いた。サポーターとスポンサー、自治体、クラブスタッフへの感謝の言葉をつづり、来季に向けて「優勝、昇格が目標」と語った。以下は一問一答。 -今季成績を振り返ると。 「J2優勝という目標に届かず、到底満足できるものはない。昇格のチャンスすらつかみ取ることができなかった」 -前半戦は不調だった。 「昨季のプレーオフ(PO)敗退後、さらに高められることに目を向けてチームづくりを始めた。振り返ると、私の考えと新しく入った選手、スタッフのイメージに乖離(かいり)があったのかもしれない。前線の選手のけがも、結果を難しくした要因と感じている」 -後半戦は9連勝を含め快進撃を見せた。 「アウェー山口戦(5月6日)の後、変えるべきもの、変えないものを明確にした。ビルドアップを放棄しない、攻撃で主導権を握ることを変えない、ということは確認した。微調整を加え、構造的な部分を変え、トレーニングを見直した。しっかりと進むべき道を示してからは、徐々に勝ち星を重ねられるようになった。その先に、新しく入った選手の力を融合させ、9連勝があった。既存の選手の成長も大きかった」
-夏の補強が戦力になった。 「おのおののストロングを発揮し、勝利に大きく貢献してくれた。強化部を、覚悟を持って移籍してくれた選手を評価してほしい。山形のフットボールに魅力を感じているからこそ来てくれる、という循環が生まれている」 -苦しい時も戦い方を変えなかった。 「モンテディオ山形の歴史に乗っかっているだけ。昔の印象は堅守速攻だが、それではJ1に定着できないという判断の下、挑戦している。自分のサッカーの思考も同じで、賛同して監督を引き受けている。僕が旗を降ろすことはできない。自分の本心であり、モンテの歴史でもあると言える。その素晴らしい考えで進んでいるからこそ、地方クラブの中でも魅力的になり、山形でプレーしたいと思う選手が増えていると感じる。だから、J1に昇格して力を証明したい」 -今季で印象的な試合は。 「POの岡山戦しか浮かばない。特に、全然うまくいかなかった前半45分が頭に出てくる。翌日から映像を何回も見返し、来年優勝するために何を克服したらいいのかを考えている」
-優勝には何が必要か。 「技術と構造をさらに高めること。分かっていても止められないものをつくる。簡単ではないが、技術を高めることと向き合いたい。構造で相手を困らせることができれば、先手を取れる。もっと高められれば岡山戦も違う結果だった。それは、優勝に近づく第一歩だ」