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田舎への移住が世界的トレンド? ミレニアル世代が見つけた「新しい幸せ」。

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VOGUE JAPAN

今、多くのミレニアル世代がサンフランシスコやロンドン、東京といった大都市を離れ、より自然豊かで静かな場所へ居を移すという現象が起きている。彼らを都会離れに突き動かすものとは何か? 34歳のイギリス人作家ローザ・ランキン・ジーが、自身や同じ「移住組」の経験を踏まえて、その理由を探る。

私は20代をパリで過ごした。当時の生きがいといえば、フランスの不動産情報サイト「SeLoger」での物件検索。毎日、5万ユーロ(約630万円)以下の物件を探しては、解像度の低いサムネイル画像を手掛かりにフランス各地を旅する気分を味わっていた。この時によく使っていた検索キーワードが、「tomettes(六角形のテラコッタ製タイル)」や「dans son jus(現況渡し)」、「cerisier(桜の木)」といったフレーズだった。検索を始めて10年が経ったが、私はまだ持ち家を手に入れていない。だが、1つ大きな変化があった。パリの街を出ることにしたのだ。 遡ること1年半前、私はイギリス・ケント州の港町ラムズゲートに引っ越した。ヨットのマストが教会の尖塔のようにそびえ立ち、ピンクや紫の花々が名物の白亜の崖からこぼれんばかりに咲き誇る、そんな場所だ。ロンドンからそう遠くない(正確には電車で1時間17分)とはいえ、この海沿いの町に居を定めるまでは、都会を離れた暮らしに不安があった。都会が恋しくなるのでは? 結局は都会と地方を往復する暮らしになるのでは? 孤独感に耐えられないのでは? と、悩みは尽きなかった。 だが、すべての心配は杞憂だった。今はこの町がとても気に入っている。それに暮らし始めてみると、物理的な住居の重要度は極めて低いこともわかった。長い間ワンルームのアパートメントに住んでいた私が、(たとえ賃貸でも)ついに階段のある家、大人の暮らしができる家を持つこと以上に望んでいたのは、広い空が見え、ビーチがある、ゆったりとした場所での暮らしだったのだ。

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