5類移行「1年」…新型コロナは過去のもの? 死者「1.6万人」…季節性インフルを圧倒 軽症でも後遺症なお【#みんなのギモン】
■厚労省が調査…成人の1~2割に後遺症
小野解説委員 「そして、誰にとっても怖いのが後遺症です」 「厚労省の研究班が東京・品川区、北海道・札幌市、大阪・八尾市の3自治体で行った調査によると、新型コロナに感染した成人で後遺症とみられる症状があると答えた人は1~2割いたといいます。せきや倦怠感、睡眠障害などの症状が多く見られました」
■1000人が受診、うち約半数が治療中
小野解説委員 「岡山大学病院の大塚文男教授(総合内科・総合診療科)は、新型コロナの後遺症に特化した外来を開設していますが、今もその外来には変わらず多くの予約が入っているといいます」 「一例では、2年前に新型コロナに感染した50代の女性は倦怠感や、長時間立っていられないなどの症状が続き、退職を余儀なくされ、今も治療を続けているといいます。岡山大学病院ではこれまで1000人が受診し、約半数が治療中だといいます」 「軽症でも後遺症はあります。熱が38度なくても、せきが出る期間が短くても、後遺症に悩む人がいるそうです」
■多く見られる後遺症の症状は?
小野解説委員 「大塚教授は『自分を守るだけでなく、人によって感染のしやすさ、後遺症の現れやすさも違うので、思いやりのある感染対策の継続をお願いしたい』と話していました」 鈴江アナウンサー 「具体的な後遺症の症状はどんなものですか?」 小野解説委員 「大塚教授によると、当初の従来株やデルタ株では味覚障害や嗅覚障害、髪が抜けるなどの症状が多くありました。現在のオミクロン株では倦怠感や頭痛、睡眠障害といった後遺症を訴える人が多いということです」 鈴江アナウンサー 「もし、後遺症かな?と思ったらどうすればいいのでしょうか?」 小野解説委員 「大塚教授によると、感染後1か月以上経過して体調が何かおかしいと感じたら1人で悩まず、まずは早めにかかりつけ医に相談してほしいとのことです。感染すると治るまで時間のかかる後遺症になる可能性もあるので、やはり感染しないのが一番だといいます」
■ワクチン、治療薬…医療体制は?
小野解説委員 「そして、医療体制はどうなったのか。コロナ対策もこの1年間で変わりました」 「ワクチン接種費用は3月まで無料でしたが、4月からは定期接種として65歳以上の人や60~64 歳で重症化リスクの高い人が対象に。この方々の自己負担額は最大で約7000円となりました。それ以外の人は任意接種として全員自費で、1万5000円ほどとなっています」 「コロナ治療薬は、かつては全額公費で無料でしたが、4月からは高額なコロナ治療薬を使う場合の公費補助がなくなりました。例えば塩野義製薬の『ゾコーバ』の価格は5万円余り(5日分)なので、患者が支払うのは3割負担だと約1万5000円です」 「そして、検査の費用も新型コロナに関わる医療費も、他の病気と同様に1割や3割などの自己負担をする形となりました」 森アナウンサー 「こういった取り巻く環境は変わりましたが、我々が気を付けなきゃいけない対策は変わらないんですよね?」 小野解説委員 「まずは人に感染させない。熱があれば外出を控え、鼻水やせきが出る場合にマスクを着けることが必要だということです」 鈴江アナウンサー 「私たちができることは限られていますけれども、これまでの経験というのがあります。周りのへの配慮や、後遺症で悩んでいる方もいるということをちゃんと理解しておくということも、とても大切ですよね。職場や家庭での配慮につながるかもしれませんね」 小野解説委員 「(大流行が)過ぎたから大丈夫、ではなく現に流行の波はやってきます。教訓を胸に刻み続けたいです」 (2024年5月8日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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