マーゴット・ロビー、「バビロン」は次の「ショーシャンクの空に」になる
批評・興行ともに振るわなかった2022年のハリウッド大作「バビロン」について、主演のマーゴット・ロビーが「なぜ人々が嫌ったのか、今でもわからない」と米ポッドキャスト「Talking Pictures」で語り、話題を呼んでいる。 「セッション」「ラ・ラ・ランド」で知られるデイミアン・チャゼル監督がブラッド・ピットとマーゴット・ロビーを迎えて手掛けた本作は、1920年代のハリウッド黄金期を舞台に、サイレント映画からトーキーへと移行する激動の時代を描いた群像劇だ。3時間超の大作で、オリジナル映画としては異例の製作費8000万ドル(約120億円)が投じられた。華やかさと混沌、栄光と破滅が交錯する作品世界は、まさにハリウッドの光と影を映し出している。 本作は2022年12月の米国公開時から批評家の間で賛否が分かれた。過剰な演出や長尺が指摘される一方、その大胆な映像表現と野心的なテーマ設定を評価する声も根強い。しかし、世界累計興収は6500万ドル(約97.5億円)と製作費を大きく下回る結果に終わっている。 それでも「私はこの作品を愛している」と断言するロビー。「20年後には『えっ、バビロンって当時うまくいかなかったの?』って言われるんじゃないかしら。『ショーシャンクの空に』が興行的に失敗したって聞くと『どうしてそんなことが?』って思うでしょう。それと同じように」と持論を展開した。 実際、1994年に公開された「ショーシャンクの空に」は、当初の興行収入がわずか1600万ドルほどだった。しかし、その後ケーブルテレビでの放送やDVDレンタルを通じて徐々に評価を高め、現在では映画史に残る傑作として認知されている。IMDbの評価ランキングでは常に上位に位置し、多くの映画ファンから支持され続けている名作だ。 「バビロン」もまた、そのスケール感とテーマの普遍性から、時間とともに再評価される可能性を秘めている。映画産業の転換期を描きながら、芸術と商業、夢と現実の狭間で揺れ動く人々の姿を映し出した本作は、現代の映画界が抱える課題とも重なる部分が多い。 なお、「バビロン」は第95回アカデミー賞で衣装デザイン、美術監督、作曲の3部門にノミネートされたものの受賞には至っていない。しかし、その豪華な美術や衣装、ジャスティン・ハーウィッツによる印象的な音楽は、作品の魅力を高める重要な要素として評価されている。