<産経コラム問題>韓国社会はどう見ているか? 辺真一「コリア・レポート」編集長
外国人の政権批判を許さない風潮
日本では、同じ内容の「ゴシップ記事」を載せた韓国の大手紙、朝鮮日報を問題にせず、産経だけをやり玉に挙げたのは公平ではないとの声がありますが、これが韓国にはなかなか通じません。 韓国人は自国民が大統領を批判するのは問題ないが、外国人が批判するのは許さない風潮が従来からあります。韓国人であっても外国に行って、政権批判をするとなると、これまた話は別で、総じて眉を潜めます。朴槿恵大統領の父親・朴正煕大統領の時代に金大中氏をはじめ多くの要人や政府高官らが亡命先の米国から大統領、政権批判をしましたが、一般国民から多くの共感を得るには至りませんでした。 このように産経新聞特派員の起訴は言論の自由とは関係がないとの見方が一般的でしたが、裁判開始直後に韓国紙、世界日報が朴大統領の元側近による国政介入疑惑を報じたことに朴大統領が憤慨し、同紙の社長や記者ら6人を名誉棄損で告訴したことで韓国でも俄かに言論の自由の危機が叫ばれ始めました。「産経問題」も「世界日報問題」も「同根」で朴槿恵大統領の強権政治の「産物」との見方が急速に広がっております。