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近畿の路線価堅調も…大阪ミナミ、インバウンド減に危機感

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産経新聞

 1日に公表された令和2年分の路線価では、近畿で都市部を中心に堅調な伸びをみせた。ただ、訪日客需要が経済を後押ししてきた大阪・ミナミでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響が早くも出始めており、オフィス需要が高いキタとの「南北差」の拡大を指摘する見方もある。 【表】近畿の最高路線価変動率の上位ランキング  「訪日客向けの店舗を中心に解約が増えている」。ミナミで店舗用物件を扱う不動産業者は漏らす。同社では、4月以降、管理する物件のうち全国展開するドラッグストアなど数十件が撤退。近畿で前年比最高の変動率(44・6%)となった心斎橋エリアを抱えるミナミだが、先行きは見通せない状態だ。  「大阪の台所」とされる黒門市場でも、昨年と比べ人出は9割ほど減少し、訪日客向けの飲食店など5店舗が閉店に追い込まれた。黒門市場商店街振興組合の国本晃生(あきお)事務長(51)は「ここ数年、この界隈は訪日客の急増で賃料が上がったが、訪日客頼みの店舗は訪日客が来なければ、すぐに賃料を払うことができなくなる」と話す。  一方、JR大阪駅があり交通の利便性が高いキタも、新型コロナが影を落とすが、「影響は限定的だろう」との見方が大半だ。  オフィスビル仲介会社「三鬼(みき)商事」によると、5月の梅田地区のオフィスビル平均空室率はわずか1・39%。担当者は「オフィスの供給が限られている一方で、通勤の利便性などから需要は依然高い」とする。令和4年以降には複数の大型ビルが完成を予定。東京・品川と名古屋、大阪を結ぶリニア中央新幹線の全面開業を見据え、さらなる需要の高まりも期待される。  不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長は「訪日客増加の影響で上昇してきたミナミは、その分下降度合いも大きくなる。新型コロナの影響が長期化すれば、南北差が広がる可能性がある」と話している。(入沢亮輔)

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