なぜ浦和レッズは”無冠”返上に向けて新戦力を3人しか補強できなかったのか?
4年ぶりの無冠に終わった昨シーズンからの捲土重来を期す浦和レッズが9日、ホームの埼玉スタジアム内のボールルームで、2020シーズンの新加入選手記者会見を開催した。 レッズの赤いユニフォーム姿で登壇したのは、アルビレックス新潟から完全移籍で加入した22歳のブラジル人FWレオナルドと、期限付き移籍していた大分トリニータから復帰した21歳のMF伊藤涼太郎の2人だけ。青森山田高からの加入が内定しているMF武田英寿は、開催中の全国高校サッカー選手権大会で同校がベスト4に勝ち進んでいることもあって欠席となった。 期限付き移籍先のトリニータで10ゴールをあげ、日本代表にも選出されたFWオナイウ阿道が横浜F・マリノスへ完全移籍するなど、このオフにレッズからは8人の選手が移籍または退団している。 一方で加入する選手は現時点で3人。補強の狙いおよび成功の度合いを問われたレッズのOBで、今年からスポーツダイレクターを務める土田尚史氏は現在進行形であることを強調した。 「現有のチームには素晴らしい選手たちがそろっていると私は認識しています。今シーズンにおきましては、選手たちが個の能力を最大限に発揮すること、発揮させることをベースに、現時点では将来性のある若い選手3人が今回加入いたしましたが、補強の方は継続して考えています」 例年この時期に行われてきたレッズの新加入選手記者会見は、大型補強の初お披露目の舞台となってきた。 たとえば昨年はFW杉本健勇(前セレッソ大阪)、DF山中亮輔(前横浜F・マリノス)、DF鈴木大輔(前柏レイソル)の日本代表経験者が完全移籍で加入し、ひな壇に勢ぞろいしてきた。 このオフの補強は、8シーズン連続で2桁ゴールをあげている33歳の興梠慎三に頼り切っていたフォワードと、層の薄いセンターバックが最重要ポイントとして掲げられていた。2018シーズンにガイナーレ鳥取で24ゴールをあげてJ3の、昨シーズンにはアルビレックスで28ゴールをあげてJ2の得点王に輝いたレオナルドは、22歳という若さや伸びしろを含めても可能性のある補強になった。