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「首から落ちるんだよ!」バックドロップで全身不随 日大サークルの“イジメ動画”

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文春オンライン

練習中に「首から落ちろ、首から!」

 Aさんのスマホには1本の動画が残されていた。事故の約3カ月前の練習中に撮影されたもので、次のようなシーンが映っていた。  マット上で何度か受け身を取ったAさんが再びマットの上に立つ。バン!という受け身の音が響き渡る。 X「もっとだよ。腰上げろ! お前、3年間サボってきたから、これだよ」  バン! マット上で再び受け身を取るAさん。 X「まだだよ。首から落ちろ、首から! 首から落ちるんだよ! 落ちても大丈夫だろ? 首から首から!」  周囲で「えへへへ」と笑い声が起きる――。

「息子を殺す気だったのか」

 動画を見たAさんの父は、 「あまりに危険な行為に、Xは息子を殺す気だったのかと思いました。日大はこのサークルを公認し、顧問的立場の法学部教員もいた。それなのに、こんな練習を放置していたのです」  18年12月、Aさんは日大とX、Yに対して5000万円の損害賠償を求める裁判を起こした。 「日大は『サークルの連絡会を開催して活動内容について注意喚起。大学として十分な措置を講じた』と反論し、真っ向から争う姿勢を見せている。XとYは、Aさんを『長年の経験者』とし、Aさんがケガをした投げ技についても『Xの指示はなかった』と主張しています」(司法関係者)

XとYに取材を申し込むと……

 Aさんは18年6月、管轄の神田警察署に被害届を提出。今年3月10日にXとYは業務上過失傷害の疑いで書類送検された。  Yに携帯で今回の事故の件を尋ねると「ちょっと今、忙しいので後ほどで」と切れ、その後電話はつながらなかった。Xは携帯に出ず、留守電とメールで取材を申し込むも、締め切りまでに応答はなかった。  日大企画広報部広報課は、「本件につきましては、現在係争中であることから、お答えを差し控えさせていただきます」と回答した。  Aさんはこう訴える。 「健康体だった事故前日の記憶が、なぜかいまだに鮮明なんです。もちろん自分は生きています。でも、あの事故を境に時間が完全に止まってしまっているんです。被告には法廷で本当のことを語ってほしい」  次回の公判は5月21日に開かれる予定だ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年5月7・14日号

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