更年期のホットフラッシュによる寝汗や睡眠障害 改善に役立つ食材はGABAを含むかぼちゃ【医師解説】
更年期の寝汗改善に役立つ食材
更年期の寝汗改善には、自律神経に作用してリラックス効果をもたらすとされる神経伝達物質のひとつ、GABA(ギャバ)が役立ちます。 GABAを多く含む食材として、秋から冬におすすめなのがかぼちゃです。かぼちゃは夏に収穫されますが、数か月保管して追熟させると栄養と甘みが増しておいしくなるので、秋から冬が旬とされています。 GABAは水に溶けやすい成分なので、かぼちゃを調理する際は蒸すか電子レンジを使うと流出を抑えられます。かぼちゃのほかには、なすやじゃがいもにもGABAが豊富です。 また、GABAは体内での合成を促すことでも増やせます。GABAを増やすには、体内での合成に欠かせないビタミンB6を摂取しましょう。ビタミンB6は魚では秋が旬のかつお、肉では鶏むね肉などに多く含まれています。食物からGABAを摂取するとともに体内での合成を促すことで、GABAの不足を防ぐことにつながります。
更年期の寝汗には漢方薬も役立つ
ホットフラッシュによる睡眠障害対策には「自律神経の乱れを整える」「体にこもった熱を冷ます」といった生薬を含む漢方薬を選びます。 ◆おすすめの漢方薬 ・加味逍遙散(かみしょうようさん) 「気(エネルギー)」や「血(栄養)」の巡りをよくして自律神経を整え、体の熱を冷ますことで、のぼせ感があるような更年期の不調に働きかけます。ホットフラッシュや不眠症などの更年期症状に用いられる代表的な漢方薬です。 ・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 「気(エネルギー)」の巡りをよくして体内の熱を冷まし、精神を安定させることで、自然な眠りを促す漢方薬です。自律神経を調整したり、興奮を抑えたりする働きがあるため、心を落ち着かせたい人に適しています。 ◆漢方薬を始める際の注意点 漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。 ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。 ◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん きむら・まきこ。医師。都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。 自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。