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池江璃花子選手「逆境に希望の力が必要」 国立競技場から発信したメッセージ全文

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産経新聞

 東京五輪開幕1年前となる23日、国立競技場で世界に向けてメッセージを発信した競泳女子の池江璃花子選手(ルネサンス)は、聖火がともるランタンを抱えながら、力強く言葉を紡いだ。自らの境遇に重なる言葉に思いが込み上げたのか、大役を終えた後は、あふれる涙を拭いながら会場を後にした。  池江璃花子選手のメッセージ全文は次の通り。  ◇  池江璃花子です。  今日は、一人のアスリートとしてそして一人の人間として少しお話しさせてください。  本当なら、明日の今頃この国立競技場ではTOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。私も、この大会に出るのが夢でした。  オリンピックやパラリンピックはアスリートにとって、特別なものです。その大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリートたちにとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。  私も白血病という大きな病気をしたから、よく分かります。思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それはとてもきつい経験でした。  そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護師さんなど、たくさんの医療従事者の方に、支えていただいたことです。身近で見ていていかに大変なお仕事をされているのか、実感しました。  しかも今は、コロナという新たな敵とも戦っている。本当に感謝しかありません。ありがとうございます。  2020年という、特別な年を経験したことでスポーツが、決してアスリートだけでできるものではないということを学びました。さまざまな人の支えの上にスポーツは存在する。本当にそう思います。  今から、1年後。オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います。  今は、一喜一憂することも多い毎日ですが一日でも早く、平和な日常が戻ってきてほしいと、心から願っています。  スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。  今だって、そうです。  練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて前に進む力になっています。  TOKYO2020。  今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラス1」と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。  もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。  ただ、一方で思うのは、 逆境からはい上がっていくときには、どうしても希望の力が必要だということです。  希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。  世界中のアスリートと、 そのアスリートから勇気をもらっているすべての人のために。1年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていてほしいと思います。  競泳選手 池江璃花子

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